【2025年8月時点】職種別フリーランス求人動向:3Dデザイナー(モデラー・モーション・エフェクト)

3Dデザイナー(モデラー・モーション・エフェクト)求人傾向
分析対象
2025年8月時点の公開されている3Dデザイナー(モデラー・モーション・エフェクト)職(業務委託・フリーランス)
出勤形態
出社常駐:43.2%
ハイブリッド出社:53.1%
フルリモート:3.7%
求人内容から見える傾向
ハイブリッド出社が過半数を占める新たな働き方の潮流が見えています。出社常駐とハイブリッドを合わせると96%を超え、フルリモートは約4%まで大幅に減少しています。
前回調査(2025年7月)と比較すると、出社常駐が61.1%から43.2%に減少する一方で、ハイブリッド出社が23.3%から53.1%へと大幅に増加しました。これは企業がフルリモートからの揺り戻しとして、チーム連携と柔軟性のバランスを重視した働き方にシフトしていることを示しています。
特に複雑な3D制作や演出設計において、対面でのコミュニケーションの重要性が再認識されつつも、完全出社ではなくハイブリッド形態を選択する企業が増加している傾向にあります。
対応プラットフォーム/エンジン
【プラットフォーム】
スマートフォン向け(iOS/Android):27.2%
コンシューマ(PS5 / Switch など):24.7%
PCゲーム(Steam中心のインディーゲームなど):4.9%
未記載:43.2%
【ゲームエンジン】
Unity:約32.9%
Unreal Engine(UE4/UE5):約28.0%
その他/未記載:約39.0%
プラットフォーム/エンジンの傾向
前回調査と比較して、スマホゲーム向けが54.4%から27.2%へと大幅に減少し、コンシューマ向けも32.2%から24.7%に減少しています。一方で「未記載」が大幅に増加(43.2%)しており、これは複数プラットフォーム対応案件の増加を示唆している可能性があります。
エンジン面では、Unityが66.7%から32.9%に減少する一方、Unreal Engineが30%から28.0%とほぼ横ばいを維持しています。注目すべきは「エンジン未記載」の案件が大幅に増加(3.3%から39.0%)していることで、これは内製エンジンやツール特化案件、またはマルチエンジン対応案件の増加を示唆している可能性があります。
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単価水準
80万円以上/月:1.2%
60万〜80万円/月:35.8%
40万〜60万円/月:8.6%
40万円未満/月:3.7%
スキル見合い:54.3%
単価水準の傾向
前回調査と比較して大きな変化が見られます。明確な単価表示のある案件では、60万〜80万円のレンジが依然としてボリュームゾーンとなっていますが、「スキル見合い」とする案件が54.3%と過半数を占めるようになりました。
これは3Dデザイナーのスキル要件が多様化・複雑化しており、一律の単価設定が困難になっていることを示しています。高度なスキルを持つ人材に対しては個別に条件を設定する傾向が強まっており、スキルレベルに応じた柔軟な報酬体系が主流になってきています。
高単価帯(80万円以上)の案件が17.8%から1.2%に大幅減少している点は注目に値し、市場全体での予算配分の変化や、プロジェクト規模の適正化が影響している可能性があります。
求められるスキル要件
Maya:67.9%
約68%の割合でMayaの使用経験が求められており、3D制作における基幹ツールとしての地位を強固に維持しています。前回調査の85.6%からは減少しているものの、依然として圧倒的に需要の高いスキルとなっています。モデリング、モーション、エフェクトなど用途は広範で、特に手付けアニメーションとのセットでの使用も多く見られます。
アニメーション系(手付け・カット演出等):33.3%
手付けモーションや演出設計スキルの需要が前回調査の57.8%から33.3%に減少していますが、依然として3分の1の案件で求められる重要なスキルです。Maya、After Effects、各種ゲームエンジンとの連携による総合的な演出力が評価されており、企画意図に沿った演出やキャラクター性の表現力が重視される傾向にあります。
Substance/Photoshop:32.1%
テクスチャ制作の基本ツールとして、Substance PainterやPhotoshopの需要が高く、PBRワークフローへの対応が標準要件となっています。前回調査の22.2%から32.1%に大幅に増加しており、ビジュアルクオリティへの要求水準の高まりを明確に反映しています。ZBrushやMayaと連携しての質感表現に対応できる素材制作スキルとして重要性が増しています。
エフェクト制作(VFX・パーティクル・Niagara等):30.9%
Unity(Shuriken)とUnreal Engine(Niagara)でのエフェクト制作経験が重視されており、前回調査の53.3%から30.9%に減少しているものの、ゲーム体験の向上に直結するスキルとして高く評価されています。ゲーム内の没入感や爽快感の演出に直結するため、シェーダー・オーサリングの知見を含めた技術×表現のハイブリッドスキルが求められています。
キャラクターモデリング:27.2%
ZBrush、Maya、Substance系ツールを活用したキャラクター制作スキルが安定した需要を保っています。前回調査の42.2%から27.2%に減少していますが、リアル系からデフォルメ系まで幅広いスタイルへの対応力が求められており、特にIP系や新規開発案件で重要視されています。
AfterEffects:13.6%
ガチャ演出やイベント映像、UI演出など映像制作タスクが多様化している中で、前回調査の25.6%から13.6%に減少しています。それでも実制作・プリビズ双方で需要があり、映像制作とゲーム制作の境界が曖昧になる中で重要なスキルとして位置づけられています。
リギング・スキニング:13.6%
専門性の高いスキルとして、前回調査の31.1%から13.6%に減少していますが、キャラクターアニメーションの品質向上に不可欠な技術として評価されています。リギングやスキニングの自動化・効率化スキルに加え、実制作での調整対応力が必要とされています。
スキル要件の傾向
Mayaが依然として最も需要の高いスキル(67.9%)として圧倒的な地位を維持しており、3D制作における基幹ツールとしての重要性は揺るぎません。前回調査の85.6%からは減少しているものの、3分の2以上の案件で必須スキルとして求められています。
注目すべきはSubstance/Photoshop(32.1%)の急速な需要拡大で、前回調査の22.2%から大幅に増加しています。これはビジュアルクオリティへの要求水準の高まりを明確に示しており、PBRワークフローへの対応が基本要件として定着しています。
アニメーション系スキル(33.3%)とエフェクト制作(30.9%)がほぼ同水準で続いており、静的なモデル制作から動的な表現への需要が安定して存在していることがわかります。ただし、前回調査と比較すると両スキルとも需要は減少傾向にあり(アニメーション57.8%→33.3%、エフェクト53.3%→30.9%)、専門性の高いスキルよりも基本的な制作スキルが重視される傾向にシフトしている可能性があります。
案件タイプの分類
新規開発案件:55.6%
運用案件:4.9%
記載なし:39.5%
案件タイプの分類での傾向
前回調査と比較して、新規開発案件の割合が66.6%から55.6%に減少しているものの、依然として過半数を占める主流となっています。運用案件は33.4%から4.9%へと大幅に減少しており、3Dデザイナーの需要が新規開発に集中していることが明確に表れています。
「記載なし」の案件が39.5%と一定の割合を占めていることから、新規開発と運用の境界が曖昧なプロジェクトや、短期集中型の特別案件が増加している可能性があります。これは市場全体でプロジェクトの性質が多様化し、従来の分類では表現しきれない案件が増えていることを示唆しています。
新規開発案件の高い比率は、3Dデザイナーが企画段階から深く関与し、世界観構築やアートディレクション、演出設計など、より上流工程での活躍機会が多いことを意味しています。一方で、運用案件の減少は、既存タイトルでは定型化された制作フローが確立され、新たな3Dデザイナーの参入機会が限られている状況を反映していると考えられます。
今後の注目ポイント
これまでの分析から、今後生まれるトレンドや注目される可能性のあるポイントをまとめました。
ハイブリッド勤務体制の定着化
ハイブリッド出社が主流となる中で、リモートでの効率的な制作フローと、出社時の集中的なコラボレーションを使い分けるスキルが重要になってきています。チーム制作における新しいコミュニケーションスタイルへの適応が求められます。
スキル特化×柔軟性のバランス
テクスチャ制作、アニメーション、エフェクトなど、特定領域での深い専門性を持ちながら、他領域との連携や技術的な理解も併せ持つ「T字型スキル」の人材がより評価される傾向にあります。
報酬体系の個別最適化
「スキル見合い」案件の増加は、画一的な報酬体系から、個人のスキルレベルと市場価値に基づいた個別設定への移行を示しています。自身のスキルを適切に評価し、市場価値を正確に把握することがより重要になってきています。
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