【2025年8月時点】職種別フリーランス求人動向:エンジニア(クライアント・サーバー など)

【2025年8月時点】職種別フリーランス求人動向:エンジニア(クライアント・サーバーなど)
出勤形態
出社常駐:約43.8%
ハイブリッド出社:約46.3%
フルリモート可:約10.0%
出勤形態の傾向
エンジニア職では、ハイブリッド出社が僅差で最も多い形態となっており、働き方の多様化が進んでいることを示しています。
「ハイブリッド出社」の案件では、チームメンバーとの協業と個人作業のバランスが重視される業務が中心となっています。具体的には、APIの設計・実装業務やデータベース設計、システム間連携の開発など、要件確認や仕様策定時は対面での打ち合わせが必要でありながら、実装フェーズでは集中して作業を行えるリモート環境が活かされる案件が多く見られます。また、既存システムの改修・拡張業務においても、既存コードベースの理解や影響範囲の確認時にチーム内での議論が重要となるため、ハイブリッド形式が採用される傾向にあります。
「出社常駐」の案件としては、セキュリティ要件が厳格な金融系システムや、物理的なインフラ機器との連携が必要な案件が中心となります。具体的には、オンプレミス環境でのシステム構築・運用、ネットワーク機器の設定・保守、セキュリティ監査対応などが挙げられます。また、レガシーシステムのモダナイゼーション案件では、既存システムとの詳細な比較検証や、段階的な移行作業における密な連携が必要となるため、出社型が選択されることが多いです。
「フルリモート可」の案件は、Webアプリケーションの開発やAPI開発、クラウドサービスを活用したシステム構築など、完全にクラウド環境で完結できる業務に限られています。特に、マイクロサービスアーキテクチャを採用した新規サービス開発や、SaaSプロダクトの機能拡張といった案件では、開発環境から本番環境まで全てクラウド上で管理されているため、場所を選ばない働き方が可能となっています。
対応プラットフォーム/エンジン
【プラットフォーム】
スマートフォン向け:30.0%
コンシューマ向け:10.0%
PCアプリケーション:11.3%
メタバース/VR系:10.0%
未記載:38.8%
スマートフォン向けアプリケーション開発が最も多い割合を占めており、モバイルファーストの市場トレンドを反映しています。React NativeやFlutter、またはネイティブ開発(Swift/Kotlin)のスキルが重宝される傾向にあります。一方で、未記載の案件が約4割を占めており、これは業務系システム開発やWebアプリケーション、インフラ構築など、特定のプラットフォームに依存しない汎用的な開発案件が多いことを示しています。
コンシューマ向けとPCアプリケーション開発はそれぞれ1割程度の割合となっており、デスクトップアプリケーション開発や組み込みシステム開発といった専門性の高い分野への需要も一定数存在していることがわかります。メタバース/VR系の案件も1割程度の割合で存在し、新興技術領域での開発機会も徐々に拡大している状況です。
【ゲームエンジン】
Unity:27.8%
Unreal Engine:13.9%
その他/未記載:58.3%
ゲームエンジンを使用する案件は全体の約4割程度に留まっており、残りの案件はWebアプリケーション開発や業務系システム開発など、ゲームエンジンを使用しない案件が過半数を占めています。Unity案件では、モバイルゲーム開発やVR/ARアプリケーション開発が中心となっており、C#での実装経験が重要視されます。Unreal Engine案件では、主にコンシューマーゲーム開発やハイエンドな3D表現が求められるアプリケーション開発が中心で、C++での実装スキルが必要とされる場合が多いです。
プラットフォーム/エンジンの傾向
全体的に見ると、ゲーム開発以外の一般的なアプリケーション開発案件が市場の主流を占めており、WebアプリケーションやSaaSプロダクトの開発、業務系システムの構築・運用といった案件が多数を占めていることがわかります。ゲームエンジンを使用する案件においては、UnityとUnreal Engineの2強構造は維持されているものの、全体に占める割合としては限定的な状況となっています。
単価水準
80万円以上:9.8%
60〜80万円:47.6%
40〜60万円:6.1%
40万円以下:2.4%
スキル見合い:34.1%
単価水準の傾向
「60万〜80万」のレンジが最も多く、市場の中心的な価格帯となっています。このレンジでは、実務経験3〜7年程度の中堅エンジニアを対象とした案件が中心で、WebアプリケーションやAPIの開発、データベース設計・チューニング、クラウドインフラの構築・運用などの業務が含まれます。PHP、Java、Python、Goなどのバックエンド開発や、React、TypeScriptを使用したフロントエンド開発の案件が多く、安定した技術スキルと一定の実務経験を有するエンジニアが対象となります。
「80万以上」の高単価レンジでは、アーキテクト級のポジションや技術的な難易度が高い案件が中心となります。具体的には、マイクロサービスアーキテクチャの設計・導入、大規模データ処理基盤の構築、AWSやGCPを活用した高可用性システムの設計などが挙げられます。また、技術選定やチームの技術的方向性を決定するテックリード的な役割や、新技術の調査・導入を主導するポジションも含まれます。
一方で、「スキル見合い」が35%と高い割合を占めているのが特徴的ですが、これは案件の要求スキルや経験年数によって柔軟に単価が決定される案件が多いことを示しています。特に、クラウド技術やモダンな開発手法に精通したエンジニアについては、市場価値に応じて単価が調整される傾向が強くなっています。
「40〜60万円」および「40万円以下」のレンジは合計で約9%と少なく、エンジニア職全体の市場価値の高さを反映した結果となっています。これらの価格帯は主に実務経験年数が浅いエンジニアや、補助的な業務を担当するポジションに限られています。
求められるスキル要件
スキル要件の傾向
SQL:26.25%
C#:22.50%
PHP:22.50%
AWS:18.75%
Python:18.75%
Go:16.25%
C++:16.25%
JavaScript:12.50%
TypeScript:11.25%
Docker:10.00%
GCP:10.00%
React:8.75%
Java:3.75%
データベース関連技術の重要性という観点では、SQLが最も高い割合(26.25%)を占めており、データベース設計・操作スキルが多くの案件で基盤技術として求められていることがわかります。これは、WebアプリケーションからAPI開発、データ分析まで幅広い案件でデータベースとの連携が必須となっているためです。
バックエンド開発言語の多様化として、C#、PHP、Python、Go、C++といった複数の言語がバランス良く求められています。C#はUnity開発だけでなく、.NET Coreを使用したWebアプリケーション開発でも需要が高く、PHPは既存のWebサービスの保守・改修案件で継続的な需要があります。Pythonはデータ分析・機械学習関連の案件や自動化スクリプト開発で、Goはマイクロサービス開発やAPI開発で重宝されています。
クラウド技術の浸透については、AWSが18.75%、GCPが10.00%となっており、クラウドインフラの知識・経験が多くの案件で重要な要素となっています。特に、インフラのコード化(IaC)やサーバーレス開発、コンテナ技術との組み合わせでの活用が求められる傾向にあります。
次に、経験や人柄などに関する傾向についてですが、以下のような特徴が見られました。
コミュニケーション力(13.75%) :技術的な議論や要件定義の場面で、関係者との円滑な意思疎通が重要視されています。特に、非エンジニア職との協業が多い案件や、複数のチームが関わるプロジェクトにおいて必須スキルとして明記されています。
自発性・主体性(6.25%) :少数精鋭のチームや裁量の大きい案件において、指示待ちではなく能動的に課題発見・解決に取り組む姿勢が求められています。技術選定や改善提案を積極的に行えるエンジニアが歓迎される傾向があります。
チーム開発経験(2.50%) :明示的に記載される割合は低いものの、実際にはGit/GitHubを使用したチーム開発や、アジャイル開発手法での協業経験は多くの現場で前提条件として扱われています。
案件タイプの分類
新規開発案件:31.3%
運営フェーズ:67.5%
記載なし:1.3%
案件タイプの分類での傾向
「運営フェーズ」の案件が全体の約7割を占めており、既存システムの保守・改修・機能拡張が市場の主流となっています。
運営フェーズの案件では、既存のWebサービスやアプリケーションに対する継続的な改善業務が中心となります。具体的な業務としては、パフォーマンス改善・最適化、新機能の追加・実装、セキュリティ対応・脆弱性対応、APIの拡張・改修、データベースの最適化・リファクタリング、ユーザー体験向上のためのフロントエンド改修などが挙げられます。求められるスキルの傾向としては、既存コードベースの理解・解析能力、段階的な改修・リファクタリングスキル、運用データを基にした改善提案能力、レガシーシステムとの連携・移行経験などがあります。長期的な視点でシステムを安定稼働させながら、ビジネス要求に応じて柔軟に対応できる技術力が重要視されています。
「新規開発案件」では、ゼロベースでのシステム構築が中心となり、要件定義から設計・実装・テスト・リリースまでの全フェーズに関わる機会があります。具体的な業務としては、システムアーキテクチャの設計・選定、データベース設計・API設計、フロントエンド・バックエンドの実装、CI/CDパイプラインの構築、クラウドインフラの設計・構築、セキュリティ設計・実装などが含まれます。求められるスキルの傾向としては、技術選定・アーキテクチャ設計能力、モダンな開発手法・技術への適応力、プロトタイプから本格運用まで見据えた実装能力、チーム開発・プロジェクト推進力などが挙げられます。新しい技術やフレームワークに積極的に取り組む姿勢と、不確実性の高い初期フェーズでも確実にプロダクトを形にする実装力が評価されます。
今後の注目ポイント
これまでの分析から、今後生まれるトレンドや注目される可能性のあるポイントをまとめました。
AI技術の実用的活用
AIをビジネス課題解決に活用する事例が増加しています。特に、データ分析基盤での機械学習モデルの組み込みや、業務自動化におけるAI技術の実装など、実用的な観点での活用が進んでいます。エンジニアには、AI APIの統合実装や、機械学習パイプラインの構築といった技術スキルが求められるようになっています。PythonやAPIの知識と併せて、AI技術の実装経験は今後さらに価値が高まると予想されます。
クラウドネイティブ開発の加速
AWSやGCPといったクラウドサービスの活用が前提となった案件が増加しており、従来のオンプレミス中心の開発から、クラウドファーストの開発手法へのシフトが顕著になっています。コンテナ技術やサーバーレス開発、インフラのコード化といった技術領域での経験・知識がより重要な差別化要因となってきています。
運営フェーズでの価値創出
運営フェーズの案件が市場の7割を占める状況下で、単なる保守・運用ではなく、データ分析に基づく改善提案や、パフォーマンス最適化による事業価値向上といった、より戦略的な貢献ができるエンジニアの需要が高まっています。技術的なスキルだけでなく、ビジネス理解や数値分析能力も含めた総合的な価値提供が期待されています。
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