■2Dデザイナー・UI/UXデザイナー求人傾向
分析対象
2025年7月時点の公開されている2Dデザイナー・UI/UXデザイナー職(業務委託・フリーランス)
■出勤形態
- 出社常駐:49.5%
- ハイブリッド出社:43.4%
- フルリモート可:7.1%
・出勤形態の傾向
「出社常駐」は主に大手開発会社や大規模タイトルの案件で採用されており、チームとの連携や即時対応を重視した運用をしている企業・プロジェクトに多い傾向です。また、UI/UX系やアートディレクション業務を含むポジションに多く見られます。
「ハイブリッド出社」は社内コミュニケーションや開発進行管理との兼ね合いでフルリモートからの移行で導入されている事例が多いです。また、企業によってはスキルのレベルなどによって出社常駐に変更もあり得る場合があります。
「フルリモート可」は主にSteam向けやインディーゲーム開発系に多いです。高スキル・高経験者を前提とした「裁量重視型」の求人が多く、UX設計に深くかかわることができる経験者や、コンセプトアートのような自立性が求められる職種など、スキルが高く、チームプレイに問題の無い方を募集している求人で採用されているのみなのが現状です。
コロナ禍以降に拡大したリモート対応ですが、現在では減少傾向にあり、クリエイティブ系職種では、PC貸与や秘密保持の観点などから依然として出社比率が高い傾向にあります。特にアートディレクター・進行管理を含む職種は出社・ハイブリッド比率が上昇傾向にあり、今後も比率は出社に傾くことが予想されます。
■対応プラットフォーム/エンジン
【プラットフォーム】
- スマートフォン向け(iOS/Android):65%
- コンシューマ(PS5 / Switch など):25%
- PCゲーム(Steam中心のインディーゲームなど):10%
「スマートフォン向け(iOS/Android)」スマートフォン向けタイトルは依然として、キャラカードやADVパートを駆使したシナリオが中心であることが多いため、2Dの制作物を制作する機会が高いです。そのため、ガチャ(キャラ・アバター・アイテム)など運用型コンテンツを中心としたイラスト制作やUI改修のニーズが多い傾向にあります。一方で、技術レベルの向上に引っ張られる形で、市場のニーズの要求値が高くなってきているため、背景や演出を含む幅広いタスクをカバーできる求人が散見されるようになりました。
「コンシューマ(PS5 / Switch など)」内訳としては新規開発案件やUnreal Engineの使用案件において、UI/UXデザイナーの需要が高い傾向にあります。対戦型・アクション系ゲームにおけるUI設計・実装などの求人が該当し、開発段階からUXを考える必要があり、必然的に新規開発案件での募集が多くなるためです。
「PCゲーム(Steam中心のインディーゲームなど)」は少人数開発体制でのコンセプトアートやUI設計業務が中心となります。ディレクションも含めて幅広い裁量が求められる傾向にあり、他職種のチームメンバーとの共同作業が前提となっていることが多いです。
【ゲームエンジン】
- Unity:61%
- Unreal Engine(UE4/UE5):19%
- 内製エンジン・不明(未記載):20%
「Unity」は特にスマートフォン向け案件にて定番の実装環境となります。スマートフォン向けタイトルの割合が65%と非常に高いため、Unity使用率も同様に高くなるのは必然と言えるでしょう。UI組み込みやアニメーション制御、UIアセットの制作などの作業が業務内容や必須スキルに入っている案件では作業環境が重要になるため、案件ベースでみる際には参考にするべき点と言えます。
「Unreal Engine(UE4/UE5)」は基本的にコンシューマ・3Dアクション案件に集中して使用されていることが多く、ここ数年で使用頻度は増加傾向にあります。またUIデザイナーやアーティストがエンジン上で直接実装・検証を求められるケースが多くなってきており、エンジンへの深い理解がスキル・キャリアアップには必要不可欠となってきています。
「内製エンジン・不明(未記載)」の場合は、主にイラスト制作系などで記載なしが見られます。
Photoshop、Illustrator等がメインツールである場合が多いため、エンジンによらない業務範囲であれば未記載の場合が大半になります。クリエイターへの要求値が高くなり、スキルの幅も求められるようになった背景もあり、今後ますますエンジンの関わらない案件は減っていく可能性があります。
・プラットフォーム/エンジンの傾向
Unityの強さは継続しており、特に運用中アプリやスマホ向け新作開発に集中しています。
一方、Unreal Engine 5を用いたハイエンド案件が年々増加しており、UI実装人材のニーズも明確化、高度化しています。また、ハイエンド案件=大型プロジェクトになる場合が多く、大型プロジェクトは平時よりも多くの人材を募集するため、今後のスキルを考える際にはそこからブレイクダウンしていくと道が見えるかもしれません。
ゲーム・IT業界のデザイナー案件をお探しの方は「スタキャリテック」をチェック!
バナーをタップで2Dデザイナー・UI/UXデザイナーの求人一覧が表示されます
■単価水準
- 80万円以上/月: 約9%
- 60万〜80万円/月: 約31%
- 40万〜60万円/月: 約52%
- 40万円以下/月: 約7%
「80万円以上」の求人の場合、ディレクタークラス、リードポジション、高度専門スキル保持者に限定されます。要件定義から設計・実装まで一人称で回せる人材を求める傾向が非常に高く、ポートフォリオなども「上手」なことが前提で、スタンス的な部分や、マネジメント経験がさらに問われることが多いです。
「60万〜80万円」のレンジはUI/UX設計+実装を担当する中堅層や、イラスト+アートディレクションの複合業務、複数案件を横断する業務委託が該当します。比較的高い要件を叶えるための求人であり、企業側も慎重に採用に臨む傾向があります。フリーランスで挑戦的なポジションに挑む際は、持っているスキルが複合型かどうかが見極めるラインになるでしょう。
「40万〜60万円」のレンジでは運用系UI/UXデザイナーやイラスト着彩業務、サポートポジションなどが多く含まれる傾向があります。経験年数2〜3年目を必須要件に記載している場合が多く、経験者+将来性を加味した採用を行っている企業が多いと分析できます。そのため、技術的なスキル以外にもスタンスに関わる部分が必須要件に入ることが多いです。
その他のレンジでは、「40万円以下」あたりが少数ですが存在し、着彩や補助的業務、または業界未経験枠などが該当します。業務範囲が明確で単一タスク中心の構成であることが多いです。ただ、本当の未経験枠を求めていることは少なく、スキルはあり、前職で人間性、スタンス面を磨いている人材を求めている傾向があります。もしくはスポット的な採用も少数ですがあります。
・単価水準の傾向
ハイブリッドや出社前提の中でも、Unrealでの実装業務やアートディレクションなどを含む案件では、60万円以上の水準が定着しつつあります。一方、単純作業での案件は単価が低くなり、現在では数を減らし続けています。単価が上がるにつれて要求スキルも高くなるため、本記事や「スタキャリテック」などの媒体に掲載された案件を詳細に確認し、これから身に付けるべきスキルなどを考察すると良いでしょう。
■求められるスキル要件
・Illustrator / Photoshop:80%
グラフィック・UI制作の基礎スキルとして必須スキルと言ってもいいでしょう。
両ツールを並行して使用するケースが大半です。また、これらの記載がなくとも使用はするケースが多くあるため、学べる環境があればトライするのも選択肢としては非常に強いです。
・Clip Studio / SAI:40%
主にイラストレーター職で使用されています。
漫画系、アニメ寄りテイストを扱う求人に多く記載され、少数精鋭チームやインディーゲームでの現場で使用傾向が高いです。一方、大半がillustratorの使用を前提にしていることが多いため、今後はやや使用頻度が減る可能性があります。
・Unity:25%程度
UI実装・アニメーション制御、テンプレートPSDの取り込みなどを含むUI/UX案件に多く登場します。開発現場ではエンジンへの理解が重要視されますが、2Dデザイン(キャライラストなど)は組み込みはエンジニアが対応するというプロジェクトも多いため、そこまで割合は多くありませんでした。
・Unreal Engine:15%程度
UI組み込みやレイアウト実装経験を求める案件ではUnityと合わせて必須の項目となっています。特にコンシューマタイトル中心である場合が多く、イラスト業務よりUI設計・制作・実装業務の割合が高い傾向にあります。
・After Effects / Animator / Timeline:10%
UI演出やアニメーション付きバナーの制作が業務範囲となり、制作〜実装まで対応できる人材が求められている求人が中心となります。ただ、大型案件であることが多いため、割合は低いままでとどまっています。
・スキル要件の傾向
Adobe系スキルは当然として、Unity・Unreal Engineなどのエンジン実装スキルと、アニメーションツールを含めた表現力が市場で評価されるようになりました。
「制作だけでなく動かす」デザイナーが重視される時代へと変化してきています。そのため、単一のスキル、単純作業の案件自体は数を減らし続けており、クリエイターにとって厳しい時代ともいえるでしょう。
■案件タイプの分類
- 新規開発案件:58%
- 運用案件:42%
「新規開発案件」ではUI実装経験、Unreal / Unityスキルが頻出要件になっています(特にUI/UXデザイナー)。プロジェクト初期フェーズ率が高く、要件定義・画面設計フェーズからの関与が可能な反面、チームでの円滑な働きがより求められます。出社形態はハイブリッド勤務が最も多く(約70%)、アートディレクションや演出設計が求められるポジションも比較的多いです。
「運用案件」ではPhotoshopやIllustratorを使った量産系UI/バナー制作が中心となっています。既存サービスのUI改修やイベント素材制作など、安定運用、またはそれに向けた人員拡大での求人が多い傾向にあります。出社形態は常駐またはハイブリッドが主流(約80%)で、コミュニケーション力や進行管理経験といった要件の記載が一定あり、チーム連携が重視される傾向は依然として高いです。
また、「IP系案件」として明言している案件は全体の25%ほどで、明言はせずとも多くの案件はIP利用タイトルの場合が多いです。IPの関わる案件の特徴として、キャラ性やブランドの「再現力」「絵寄せ」を求められる傾向があります。そのため、ポートフォリオ重視の側面がより強く求人に反映されています。さらに開発・運用双方でスピード感を重視するスタイルが流行りであり、その影響で手の速さは一定求められます。出社形態はフルリモート比率がやや高め(40%)です。
・案件タイプの分類での傾向
新規開発案件はUnity/Unreal Engine経験者のニーズが非常に高く、初期フェーズから関わりたい人材向けであることが多く、運用案件は、安定した稼働希望の人材や制作速度が重視される層に適しています。IP系は特に表現力・再現性重視で、成果物ベースで対応可能な人材に有利な傾向があります。
■今後の注目ポイント
これまでの分析から、今後生まれるトレンドや注目される可能性のあるポイントをまとめました。
Unreal Engine 案件の明確な増加
UI/UX職でもUnreal Engine経験が必須要件に含まれることが多くなりました。
技術の向上などの背景によって、人材サービス事業を展開している他社でもUnreal Engine経験者を広く探している現状があり、今後はより偏った割合になっていくと予想されます。
UI/UX × アニメーション × エンジン実装などの複合スキルが重宝されていく
現在の傾向から見ても、イラストのみの業務は少なく、イラストレーターであってもディレクションやチーム管理、進行管理などの業務が付随することが多いです。さらに、コンシューマーやコンシューマーライクなソーシャルゲームが主流となってきているため、複数のスキルを組み合わせた武器を市場に合わせて身に付けていくことが重要視されるようになるでしょう。FigmaやAfterEffectsなどの多様なツール対応力なども差別化につながるため、将来を見据えて技術トレンドは押さえるべきです。
アートディレクター的役割を担える人材のニーズ上昇
イラスト制作はツールが高度化していることもあり、年々制作ペースは早まっています。
ゲーム開発現場でもイラストチームは少数で運用しているプロジェクトも増え、その代わりアートディレクターとしてゲームの方向性を決定する役割の需要が現在でも増加傾向にあります。
また、イラスト制作を目指す・または仕事にすることができた人材は現在に至るまでで多数生まれ、市場はやや飽和気味となっています。
そういった事情もありアートディレクターの需要は増える見込みです。
詳細は各求人をクリック!
スタキャリテック掲載中のフリーランス求人をまとめてご覧ください!
※この記事の掲載から日数が経過している場合、求人が非公開になることがございますのでご了承ください
※求人タイトルは変更になる場合がございます
グラフィッカー |
---|
ドットグラフィッカー(背景) / 3Dモデル / テクスチャ |
グラフィックデザイナー【公営競技サービス】 |
新規サービスグラフィックデザイナー |
UI/UXデザイナー |
---|
UI/UXデザイナー / UIデザイン・アイコン作成 / UneralEngine |
ゲームアプリUIデザイナー求人/レイアウト・グラフィック制作【スタキャリテック】 |
【UI/UXデザイナー求人】対戦型ロボットゲーム開発/Unreal経験必須【スタキャリテック】 |
【UI/UXデザイナー求人】Steam向け新作ゲームの実装担当募集/Unity使用【スタキャリテック】 |
その他求人について
「スタキャリテック」にはここに掲載している求人以外にも多数求人を掲載しています。
詳細は下記バナーからご覧いただけます!
気になる職種で絞り込んで検索してみてください!