成功したゲームクリエイターから学ぶクリエイターとしてのキャリア|ゲーム・IT業界に強い人材会社|株式会社STAND|スタキャリテック

ゲーム業界の最新トレンドから考えるニーズとキャリア
ゲーム業界は技術革新による急速な変化が特徴的で、VR/AR技術の進化、クラウドゲーミングの普及、モバイルゲーム市場の拡大など、新たなトレンドが次々と生まれては消えていく激動の歴史を歩んできました。
これらのトレンドの変化は、業界だけでなくクリエイターに求められるスキルセットにも多大な影響を与えてきています。
・人材確保における企業のニーズの変化
トレンドの変化は企業側にも影響を与えており、昨今では技術力だけではなく、多様な視点や創造性を持ついわゆる「ソフトスキル」を持ち合わせている人材のニーズが高まるようになってきました。
特に注目されているのは、コミュニケーション能力やチームワーク、プロジェクト管理能力など、周囲とハレーションを起こさずに新技術や新しい取り組みをチーム内に組み込むことができるようになるスキルです。
クロスプラットフォーム開発の経験
データ分析能力とユーザー行動の理解
ライブサービス運用の知識
グローバル市場を意識したデザイン思考
新技術への適応力
多様な人材をまとめられる協調性・統率力
急速な発展を遂げるゲーム業界では、技術だけではなく、人柄やコミュニケーション力も重要視されるようになってきています。
成功したクリエイターの共通点
では、業界で成功するクリエイターたちにはどのような共通点があるのでしょうか。
①問題解決能力
ゲーム開発には技術的な課題や予算・納期など、様々な制約が存在しており、開発工程には多くのトラブルが発生します。
目先のトラブルを解決に導いたとしても、他チームから見た時、もしくは時間が経過し、開発工程が次フェーズへ移行した時、トラブルが再発してしまい、根本的な解決に至っていないケースも存在します。
そのような事態を防ぐためには、日頃から自身の担当外の分野に関心を持ち、多角的な視点を得ることが重要です。
②チームワーク
ゲーム開発は多くの人と一丸となって行います。
どんなに優れた技術を持っていても、チームの一員として周囲の人々と協力できなければ、結果として成果物のクオリティが下がってしまったり、致命的なミスに繋がるリスクが発生してしまいます。
異なる専門分野を持つ人々の適正や傾向を汲み取り、適切なコミュニケーションを行えるスキルがあると開発現場で重宝されるでしょう。
③ユーザー視点
開発現場において、ゲームは開発して終了ではありません。
開発した後は然るべきルートを通り、プレイヤーの元へ流通されます。
自分の作りたいものだけでなく、プレイヤーがどのような体験を求めているのかを自らが体験し、常に考え、フィードバックを積極的に取り入れていく必要があります。地道な工程に見えるかもしれませんが、こうした一つ一つの積み重ねがヒット作を生み出すために必要な鍵と言えます。
ゲームデザインに必要なスキルと知識
現代のゲームデザインには、従来の「面白さ」を追求するセンスに加え、さまざまな知識や技術が求められますが、特に「UXの理解・向上力」は必須となります。
プレイヤーがどのような体験に喜びを感じ、どのような要素に継続的な興味を持つかを、科学的に分析する能力が重要視され、求人の要件に特別に書かれることもしばしばあります。
UXを考えないゲームは無いと言ってもいいほど、欠かせないものになりました。
次に、「データ駆動型のデザイン手法」に関する知識も重要性を増しています。プレイヤーの行動データを収集・分析し、それに基づきゲームを調整する手法は、特にソーシャルゲームでは標準となってきており、コンシューマーゲームもサービスの提供という形でオンライン化・運用の流れが主流となってきています。
さらに、「マネタイズ」に関する理解も欠かせません。
企業は、プロジェクトを立ち上げる際、フリーミアム(いわゆる、基本プレイ無料の手法)、サブスクリプション、シーズンパスなどのさまざまな収益モデルの中から、ゲーム体験を損なわない最適な方法の模索に常に頭を悩まされます。
企業が求めるゲームクリエイターの能力
・チームでの役割とコミュニケーション能力
ゲーム開発は基本的にチームで行われるため、コミュニケーション能力の欠如は大きな痛手となるケースもあります。
技術的スキルが高くとも、チームの一員として機能できなければ、クリエイターとしての価値は半減すると共に、「扱いづらい人材」として敬遠されることも……
特に、異なる専門分野の人々と協力して作業を進めるためには、同職種以上にコミュニケーション能力を活用する必要があります。コミュニケーション能力が高く、自分の担当領域だけでなく開発全体の流れを理解し、最適なタイミングで自分の役割を果たすことができる人材は、企業にとってこの上なく「優秀な人材」に見えるでしょう。
・Win - Win な関係を築くためのノウハウ
ゲーム開発においては、社内の異なる部署間だけでなく、パブリッシャーや外部協力会社との関係構築も重要です。
互いの目標や制約を理解し、双方にメリットのある解決策を見出す能力は、
長期的なキャリア形成には欠かせません。
開発側のクリエイティブとビジネス側のマネタイズのバランスを取りながら、俯瞰的な視野でチーム全体をまとめ上げ、適切な指示でプロジェクトを進められるシニアクリエイターなどは大変得難い人材となっていきます。
・トレンドに敏感であることの重要性
ゲーム業界は技術革新やユーザー嗜好の変化が非常に速い分野だというのは前述の通りですが、最新のレンダリング技術やゲームメカニクスのトレンド、人気ゲームの分析、新しいプラットフォームへの対応など、常に業界の動向を把握し続けることは非常に困難で、険しい道です。
ですが、そうしたトレンドを抑えることで、突如として現れる障害に対し、
慌てることなく対処することができる可能性があります。
特に近年では、AR/VR技術やクラウドゲーミング、マルチプラットフォーム展開などの知見がますます重要になっており、企業側が求めるものやどういう動きをしているかしっかりと注視していきましょう。
ゲームクリエイターにとっての学習方法
・自己学習とそのメリット
自己学習は現代のゲームクリエイターにとって必要不可欠です。
オンラインコース、チュートリアル、オープンソースプロジェクトへの参加など、様々な自己学習の手段があります。
自己学習の最大のメリットは、自分のペースで最新技術や特定の専門分野を深く掘り下げられることです。
多くの成功したクリエイターは、公式教育と並行して自己学習を継続しており、特に新しいゲームエンジンや開発ツールの習得においては自己学習が大きな役割を果たしています。
ただ、長く自己学習を続けるのはなかなかできることではありません。
自身が継続できるやり方を模索し、時にはコミュニケーションの練習もかねて、周囲の頼れる誰かに相談してみるのもよいでしょう。
クリエイティブなプロジェクトとは何か
クリエイティブなゲームプロジェクトとは一体どういったものでしょうか?
単に見た目が美しいだけではプレイを継続してもらうことはできず、プレイヤーに新しい体験や感動を提供し続けるのは難しく、ゲームというメディアの可能性を広げ、その枠を飛び越えることは滅多にありません。
ただ、成功したプロジェクトの共通項から学び、真に迫ることはできます。
成功したプロジェクトに共通するのは、「明確なビジョンと一貫性」です。
プロジェクトの目指す方向性が明確であり、そのビジョンに沿ってすべての要素(ビジュアル、サウンド、ゲームプレイ、ストーリーなど)が一貫性を持って設計されています。
ユーザーは変化に敏感であり、方針や軸がぶれることによって、日常に組み込まれていたものが失われたかのような錯覚さえ引き起こします。
また、優れたプロジェクトは「制約の中での創造性」を発揮しています。
予算やスケジュール、技術的な制限といった制約は創造性の敵ではなく、むしろ独創的なソリューションを生み出す触媒となり得ることがあります。
よく、逆転の発想や、ビビッときた、などのエピソードがありますが、こうしたひらめきは、日頃からチームで課題解決に向けて努力する姿勢があって、初めて生まれるものであり、要因を分解した結果、マネジメントスキルなどにも繋がるなど、複合的な要素が絡み合う非常に重要な要素の一つです。
ゲームクリエイターの職種と役割
ゲーム開発は多岐にわたる専門分野の協力によって成り立っています。
各職種の役割と必要なスキルを理解することは、自分のキャリアパスを計画する上でもチームメンバーと効果的に協働する上でも、要不可欠な要素となってきます。
・職種ごとの役割や特性
プランナー
ゲームの基本コンセプトや仕様を企画・設計する役割を担います。
ゲームのルール、世界観、ストーリー、キャラクター設定などを考案するなど、ゲーム全体の方向性を定める役割ともいえます。
また、プロジェクトによってはPMとして進行管理を担うこともあります。
そのためプランナーには、創造力だけでなく、プロジェクト全体を見渡す視野とコミュニケーション能力が求められます。
(プランナーの仕事の7割はコミュニケーションともいわれます。)
デザイナー
プランナーの立てた企画に基づき、時には共に企画立案を行いながら、キャラクターデザインやUI、3Dモデル、アニメーションなど、2D / 3D領域の制作を行う、非常にクリエイティブな役割です。
単に美麗なグラフィックを生み出すほか、プレイヤーの体験を形作る要(難易度、報酬システム、チュートリアルなど)を視覚的に補助したり、期待値やプレイ体験を満たすための工夫など、感覚的な要素を科学的に分析し、的確に表現することが重要となります。
プログラマー
プログラマーは、ゲームの技術的な実装を担当する専門家です。
現代のゲームプログラマーに求められるスキルは多岐にわたります。
プログラミング言語
C++、C#、Pythonなどの言語の習熟度ゲームエンジン
UnrealEngine、Unity、独自エンジンなどの知識と経験専門分野
グラフィックス、AI、物理演算、ネットワーク、ツール開発など最適化
限られたハードウェアリソースで最高のパフォーマンスを引き出す技術アルゴリズムとデータ構造
効率的なコードを書くための基礎知識
技術的スキルに加え、他の職種(プランナー、デザイナーなど)と協力するため、コミュニケーション能力も重要です。
(専門性が高いため、他職種では理解しきれないことあるため)
また、常に新しい技術やツールについて学び続ける姿勢も必要になります。
ディレクター
ディレクターは、プロジェクト全体の指揮を執る立場です。
各セクションを統括し、ゲームのビジョンを実現するために方向性を定め、
意思決定を行う、責任重大なポジションとなります。
ディレクターの主な責任には以下のようなものがあります。
ゲームのビジョンと方向性の確立
各部門の調整と連携
スケジュールと予算の管理(プロデューサーの補助または共同)
品質管理と最終判断
ディレクターへのキャリアパスとしては、
プランナーやデザイナー、プログラマーとしてのキャリアを積み、リードポジションを経てディレクターになるケースが一般的です。
重要なのは、技術的なスキルのみではなく、リーダーシップやプロジェクト管理能力、ビジネス感覚を身につけることです。
また、他の職種の仕事内容を理解し、尊重する姿勢も不可欠です。
フリーランスとしてのクリエイターの魅力と注意点
フリーランスとして働くことは、多くのゲームクリエイターにとって魅力的な選択肢となりえます。
ある意味成功したクリエイターと言うこともできます。
ただし、自由な働き方や裁量を得られる一方で、安定性やキャリア構築の面では独自の課題もあります。
・フリーランスとしての年収の実態
フリーランスのゲームクリエイターの収入は、専門分野、経験、ネットワーク、市場の需要などによって大きく異なります。
特に高い専門性や希少なスキルを持つフリーランサー(例:VRプログラミングのエキスパート、AAA級タイトルのリーダーポジション経験者など)は、
年収1000万円を超えることも珍しくありません。
一方で、収入の安定性は企業勤務に比べて低く、プロジェクト間のブランク期間や景気変動の影響を受けやすい点は注意が必要です。
収入を安定させるためには、複数のクライアントと関係を構築する、長期契約を獲得する、固定報酬と成功報酬のバランスを取るなどの工夫が効果的です。
・独立したクリエイターのためのネットワーク構築
フリーランスにとって、ネットワークは最も重要な資産の一つです。
効果的なネットワーク構築のポイントは以下の通りです。
業界イベントへの積極参加
ゲームジャム、開発者会議、展示会などに定期的に参加するオンラインコミュニティの活用
DiscordサーバーやSlackグループ、専門フォーラムで活動するSNSの戦略的活用
TwitterやLinkedInで業界動向やご自身の実績を定期的に発信する過去のクライアントとの関係維持
定期的な近況報告や情報共有で関係を保つ協業ネットワークの形成
補完的なスキルを持つ他のフリーランサーと協力関係を構築する
良質なネットワークは、仕事の紹介だけでなく、業界トレンドの把握、技術的アドバイス、精神的サポートなど、多面的な価値をもたらします。
ネットワーク構築は一朝一夕には完成しないため、日常的な関係構築を意識することが重要です。
・自分を売り込むためのツールと活用法
フリーランスとして成功するためには、効果的なセルフプロモーションが不可欠です。以下のツールや活用方法などがあります。
個人ウェブサイト・ポートフォリオ
・専門分野や強みが一目でわかるデザイン
・プロジェクト実績の詳細な説明(許可を得た範囲で)
・依頼プロセスの明確化(料金体系、依頼方法など)
SNSプラットフォームの活用
・Twitter:業界動向についての見解や、制作過程の共有
・LinkedIn:プロフェッショナルな実績やスキルセットのアピール
・Instagram/ArtStation:ビジュアル作品のショーケース
オリジナル作品・ブログ
・独自の小規模ゲームやプロトタイプの公開
・専門知識を共有する技術ブログの運営
・チュートリアルや解説動画の制作
営業資料
・過去の成功事例をまとめたケーススタディ
・提供サービスと料金体系を明示した資料
・自己紹介と強みをまとめた簡潔なピッチデック
自分を売り込む際に最も重要なのは、ターゲットを明確にすることです。
すべての案件や依頼主に対応しようとするのではなく、自分の強みが最も活きる分野や業界に焦点を絞ることで、効果的なプロモーションが可能になります。
まとめ
ゲーム業界では、スキルや知識だけでなく、柔軟な発想や仲間との連携力がとても大切です。
日々変化する市場や技術に対応しながら、自分らしい強みを活かしていくことが、キャリアを築く上でのポイントになります。
会社員としてリーダーを目指す道も、フリーランスとして自由に働く道も、自分に合ったスタイルを見つけることが大切です。
今回の記事が、これからの働き方や成長のヒントになれば嬉しいです!
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