【2025年9月時点】職種別フリーランス求人動向:3Dデザイナー(モデラー・モーション・エフェクト)

3Dデザイナー(モデラー・モーション・エフェクト)求人傾向
分析対象
2025年9月時点の公開されている3Dデザイナー(モデラー・モーション・エフェクト)職(業務委託・フリーランス)
出勤形態
出社常駐:47.3%
ハイブリッド出社:47.3%
フルリモート可:5.4%
求人内容から見える傾向
出社常駐とハイブリッド出社がそれぞれ47.3%と、ほぼ同率で主流を占めています。両者を合わせると94.6%となり、フルリモート(5.4%)案件は依然として少数派です。
前月(2025年8月)と比較すると、ハイブリッド出社(53.1%から47.3%)はやや減少し、出社常駐(43.2%から47.3%)が再度増加に転じています。この動向は、リモートワークの柔軟性を保ちつつも、プロジェクトの品質向上やチーム内の密な連携を目的として、オフィスへの出社を重視する傾向が強まっていることを示唆しています。特に、複雑な3D制作や新規開発フェーズにおいて、対面でのコミュニケーションの価値が再認識されていると考えられます。
対応プラットフォーム/エンジン
【プラットフォーム】
スマートフォン向け(iOS/Android):29.0%
コンシューマ(PS5 / Switch など):25.8%
PCゲーム(Steam中心のインディーゲームなど):7.5%
未記載:37.6%
【ゲームエンジン】
Unity:37.6%
Unreal Engine(UE4/UE5):31.2%
その他/未記載:31.2%
プラットフォーム/エンジンの傾向
プラットフォームでは、スマートフォン向け(29.0%)とコンシューマ向け(25.8%)がほぼ同率で、二大柱となっています。前月と比較しスマホ向けが微増(27.2%→29.0%)、コンシューマ向けが微増(24.7%→25.8%)と、引き続き両プラットフォームでの需要が安定しています。未記載の割合(37.6%)も依然として高く、マルチプラットフォーム展開や、プラットフォームを問わない制作支援案件の多さがうかがえます。
エンジン面では、Unity(37.6%)がUnreal Engine(31.2%)をわずかに上回っています。特筆すべきは、Unityの割合が前月(32.9%)から増加している点と、Unreal Engineも高い水準(28.0%→31.2%)を維持している点です。両エンジンともに活発な需要がある中で、エンジン未記載の案件(31.2%)も約3割を占めており、これは内製ツールやDCCツール(Mayaなど)での制作スキルそのものが重視される案件が多いことを示しています。
単価水準
80万円以上/月:1.1%
60万〜80万円/月:38.7%
40万〜60万円/月:8.6%
40万円未満/月:3.2%
スキル見合い:48.4%
単価水準の傾向
最も注目すべきは、「スキル見合い」とする案件が48.4%と引き続き高い水準にあることです。これは、3Dデザイナーの専門性や経験の幅が広がり、個々のスキルレベルに応じた個別最適な報酬設定が業界の主流となっていることを示しています。
明確な単価が提示されている案件の中では、60万〜80万円のレンジが38.7%とボリュームゾーンであり、前月(35.8%)からさらに増加しています。このことから、経験豊富なミドル〜シニアクラスのフリーランス3Dデザイナーに対しては、市場が依然として高い報酬を支払う意向を持っていることがわかります。高単価帯(80万円以上)は1.1%と少数ですが、これは「スキル見合い」案件の中に高単価案件が含まれている可能性が高いため、実質的な高単価案件はこれより多いと推測されます。
求められるスキル要件
MAYA:72.0%
Substance/Photoshop:37.6%
アニメーション系(手付け・カット演出等):26.9%
エフェクト制作(VFX・パーティクル・Niagara等):24.7%
キャラクターモデリング:24.7%
リギング・スキニング:10.8%
After Effects:10.8%
スキル要件の傾向
Mayaの使用経験は72.0%で、前月(67.9%)からさらに増加しており、3D制作における基幹ツールとしての地位を揺るぎないものにしています。多くの案件で必須スキルとして求められています。
次いで高い需要を示すのが、テクスチャ制作ツールのSubstance/Photoshopで、37.6%を占めます。これは、PBRワークフローの定着と、ビジュアルクオリティへの要求水準の高まりを明確に反映しています。
アニメーション系(26.9%)、エフェクト制作(24.7%)、キャラクターモデリング(24.7%)は、ほぼ同水準で安定した需要があります。このことから、特定の領域に特化した専門スキル(例:エフェクト、アニメーション)と、基幹制作スキル(例:モデリング)の需要がバランス良く存在していることがわかります。特に、リギング・スキニング(10.8%)は専門性が高いタスクでありながら、一定の需要を維持しており、キャラクター表現の品質を左右する重要なスキルとして位置づけられています。
案件タイプの分類
新規開発案件:50.5%
運用案件:3.2%
記載なし:46.2%
案件タイプの分類での傾向
新規開発案件が50.5%と、引き続き過半数を占める主流となっています。前月(55.6%)からはわずかに減少していますが、3Dデザイナーの需要が、新しいIPやプロジェクトの立ち上げフェーズに集中していることは明白です。これは、3Dデザイナーが世界観の構築やアートディレクションといった上流工程から関わる機会が多いことを示しています。
一方、運営フェーズの案件は3.2%と極めて低く、既存タイトルの運用業務における外部デザイナーの参入機会は限定的であることがうかがえます。
記載なしの案件が46.2%と、約半数を占めている点も注目です。これは、スキルに応じて新規開発または運営プロジェクトのいずれかを決定するケースや、短期のヘルプ・スポット的な制作タスクが増えている可能性を示唆しており、市場の多様化を反映しています。
今後の注目ポイント
これまでの分析から、今後生まれるトレンドや注目される可能性のあるポイントをまとめました。
出社常駐の再評価と定着
ハイブリッド勤務が主流となる中で、出社常駐案件の割合が再び増加している点は注目です。高度な技術連携や機密性の高い新規開発において、対面でのコミュニケーションや情報共有の重要性が再認識され、出社前提の働き方が定着しつつあります。
スキル見合いによる個別最適化の加速
「スキル見合い」案件が約半数を占める状況は、3Dデザイナーの報酬体系が画一的な単価設定から、個人の専門性、リード経験、保有技術(例:Houdini、Niagara、リギングスクリプト)に応じた個別交渉へと完全にシフトしていることを意味します。自身の市場価値を正確に把握し、交渉力を高めることがより重要になります。
基幹ツールの安定とテクスチャ制作スキルの重要性
Mayaが圧倒的な地位を維持しつつ、Substance/Photoshopの需要が安定して高いことから、DCCツールの深い習熟と、PBRワークフローを支えるテクスチャリングスキルが、今後の3Dデザイナーのキャリアを築く上で最も重要な基盤となります。
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