ゲームの二つの世界「アウトゲーム」「インゲーム」の違いを徹底解説|ゲーム・IT業界に強い人材会社|株式会社STAND|スタキャリテック

はじめに……「二つの世界の境界線」
「今日はランクマッチで5連勝した!5連勝バッチを初めて手に入れたから設定しよう。」
「装備強化のために10時間以上周回したよ。でも見た目がかっこよくてインベントリ何回も見ちゃう。」
こんな会話、ゲーマーの間では日常的ですよね。
この二つの例の中で、実は前半はインゲーム、後半はアウトゲームの活動なのです。
でも、その線引きはどこにあるのでしょう?
簡単に言えば……
インゲーム:実際のゲームプレイ中、リアルタイムで行われる活動
アウトゲーム:直接的なゲームプレイ以外の準備や計画に関する活動
しかし、この区別はゲームのジャンルやデザインによって曖昧になることも多く、実はとても奥深いテーマなのです。
インゲームとは?その特徴と魅力
インゲームとは、文字通り「ゲーム内」で行われる活動です。
具体的には以下のような特徴があります。
リアルタイムの判断と行動
FPSで敵プレイヤーとの撃ち合い、格闘ゲームでのコンボ決断、RPGでのボス戦術選択など、その場の状況に応じた判断が求められます。
ここでは反射神経や直感的な判断力が問われます。
「あ、敵が右から来た!すぐに撃たなきゃ!」という瞬間的な判断や、「このボスの動きが変わった、次の攻撃を予測して回避しよう」という即時の対応がインゲームの醍醐味です。
技術的熟練度が重要
格闘ゲームのコンボ入力、音楽ゲームのリズム感、レースゲームのドリフトテクニックなど、物理的な操作スキルが成功を左右します。
何百時間とプレイして身につける「手の記憶」がものを言うのです。
『鉄拳』を始めた頃、ボタンを連打するだけでしたが、今では指が勝手に複雑なコマンドを入力している感覚がある、こういった事例がインゲームでの成長と言えるでしょう。
没入感と臨場感
インゲームの最大の魅力は、その世界に入り込める没入感です。
ストーリーに感情移入したり、緊張感のある対戦で心拍数が上がったり、美しい景色に見とれたり…それらはすべてインゲーム体験の一部です。
『Ghost of Tsushima』で風に揺れる草原を馬で駆け抜けるとき、現実世界を忘れてしまうような感覚になりませんか?それこそがインゲームならではの魅力です。
インゲームの具体例
FPSでの実際の撃ち合い
レースゲームでの運転
RPGでの戦闘やクエスト進行
格闘ゲームの対戦
パズルゲームの実際の解答時間
アウトゲームとは?その特徴と魅力
アウトゲームは「ゲームの外側」で行われる活動ですが、ゲーム体験に不可欠な要素です。
戦略立案と準備
デッキ構築、装備選択、スキル振り分け、キャラクターのカスタマイズなど、実際のゲームプレイの前段階で行う準備作業がアウトゲームの中心です。
『Hearthstone』でデッキを組む時間、『モンスターハンター』で防具セットを考える時間、『FF14』でロールプレイ用の衣装を選ぶ時間…これらはすべてアウトゲーム活動です。
これらの準備がインゲームでの成功につながるのです。
収集と成長の楽しみ
アイテム収集、キャラクター育成、実績解除など、長期的な目標に向けて進捗を積み重ねる喜びもアウトゲームの大きな魅力です。
『ポケモン』で図鑑を埋めていく満足感、『モンハン』で素材を集めて理想の武器を作る達成感、『FF14』でレベル上げをする充実感…これらもアウトゲームの重要な要素です。
アウトゲームの具体例
デッキ構築(カードゲーム)
装備やスキルの編成(RPG)
チーム編成や戦術設定(戦略ゲーム)
キャラクターのカスタマイズ
ギルドやクランの運営(オンラインゲーム)
ジャンル別に見る「インゲーム」と「アウトゲーム」のバランス
ゲームのジャンルによって、インゲームとアウトゲームの比重は大きく異なります。
いくつかの代表的なジャンルを見てみましょう。
RPG:準備と冒険のバランス
RPGは両方の要素がバランス良く存在するジャンルです。
装備選択、スキル振り分け、クエスト選択などのアウトゲーム要素と、実際の戦闘や探索などのインゲーム要素が組み合わさっています。
最近の『ペルソナ』シリーズは、日常パートでの交流(アウトゲーム)と異世界での戦闘(インゲーム)という明確な区分があるのが特徴ですね。
『FF7リメイク』のようなアクションRPGでは、マテリアの装備(アウトゲーム)と実際の戦闘(インゲーム)の両方が重要です。
カードゲーム:準備が勝利を左右
『遊戯王』や『Magic: The Gathering』などのカードゲームは、デッキ構築というアウトゲーム要素が特に重要です。
実際の対戦(インゲーム)よりも、事前のデッキ設計(アウトゲーム)の方が勝敗を大きく左右することもあります。
「このカードとこのカードの相性が良いな」「メタ環境を考えるとこの対策カードが必要だ」といった思考は、すべてアウトゲームの楽しみです。
実際の対戦では、その準備がどれだけ実を結ぶかが試されるのです。
アクションゲーム:プレイヤースキルが全て
『Devil May Cry』や『Sekiro』のようなアクションゲームは、インゲーム要素が支配的です。
装備やスキルの選択(アウトゲーム)も存在しますが、最終的にはプレイヤーの反射神経や操作テクニック(インゲーム)が勝敗を決めます。
「ボスの攻撃パターンを覚えた!」「パリィのタイミングがわかってきた!」という成長は、インゲームのスキル向上を実感できる瞬間です。
戦略ゲーム:思考と分析の時間
『Civilization』や『三国志』シリーズのような戦略ゲームは、思考と分析の時間が多く、アウトゲーム的な要素が強いジャンルです。
ターン制であれば特に、次の一手を考える時間は(線引きは難しいですが)アウトゲームの一種と言えるでしょう。
「この都市にはどの建物を建てるべきか」「このユニットをどう配置すれば効率的か」という思考は、リアルタイムでの判断とは異なる楽しさがあります。
現代ゲームの傾向:アウトゲームの拡大
近年のゲームは、アウトゲーム要素が増加・複雑化する傾向にあります。
これにはいくつかの理由があります。
ゲーム寿命の延長
ゲームを長く遊んでもらうために、収集要素やカスタマイズ要素など、アウトゲーム的な要素が増えています。
『Destiny 2』や『Division 2』のような「ゲームアズアサービス」モデルでは、装備集めやビルド研究などのアウトゲーム活動が中心となっています。
「レアアイテムを集めるために毎日ログインしよう」「今週の限定チャレンジをクリアしよう」という仕組みは、プレイヤーの継続的な参加を促す戦略でもあります。
ソーシャル要素の強化
スマホゲームを中心に、フレンド機能やギルド機能などのソーシャル要素が強化されています。
これらはインゲームというよりも、アウトゲームの領域です。
『モンスターストライク』や『FGO』での協力プレイの誘い、『原神』での他プレイヤーとの交流など、ゲーム内外でのコミュニケーションがゲーム体験の一部となっています。
メタゲームの深化
eスポーツの普及に伴い、メタゲーム(最も効率的な戦略や装備の研究)が発達しています。
これは典型的なアウトゲーム活動です。
「今のパッチでは〇〇が強い」「このキャラの対策にはこれが有効」といった情報を、Discord、Twitter、YouTubeなどで共有することが一般的になっています。
特に『LoL』や『Apex Legends』などの競技性の高いゲームでは、このメタゲームの理解がランクアップには欠かせません。
アウトゲームが主役のゲームたち
中にはアウトゲーム要素がメインとなるゲームも存在します。
シミュレーションゲーム
『Football Manager』シリーズや『栄冠ナイン』のような監督シミュレーションゲームは、選手の獲得や戦術の設定などのアウトゲーム要素が中心で、実際の試合はシミュレーションされることが多いです。
「このユニットのステータスはこのくらいだから、対戦相手には不利かな…」という分析が面白さの核心にあるゲームです。
トレーディングカードゲーム
『Hearthstone』や『シャドウバース』などのデジタルカードゲームは、デッキ構築というアウトゲーム要素が勝敗を大きく左右します。
カード収集やデッキ理論の研究に何時間も費やすプレイヤーも多いでしょう。
「このカードパックを開けたら、欲しいレジェンドが出るかな」「このコンボを組み込んだデッキを試してみよう」という楽しみ方は、アウトゲームならではのものです。
ゲーム内経済シミュレーション
『EVE Online』や『黒い砂漠』などのMMO内での取引や経済活動は、非常に深いアウトゲーム要素として知られています。
市場分析や価格予測など、現実の経済活動に近い体験ができます。
「今週はこのアイテムの値段が上がりそうだから、先に買い占めておこう」という思考は、まるで投資家のようですね。
インゲームとアウトゲームの境界線が曖昧なケース
すべてのゲーム要素がきれいにインゲームかアウトゲームに分類できるわけではありません。
境界線が曖昧なケースも多々あります。
ターン制RPGの戦闘
『ドラゴンクエスト』や『ペルソナ』シリーズのターン制バトルは、反射神経よりも戦略的思考が重要です。行動を選択する時間はインゲームなのか、アウトゲームなのか、線引きが難しいところです。
「次のターンは回復か攻撃か…」と考える時間は、アウトゲーム的な分析タイムとも言えるでしょう。
オープンワールドでの探索
『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』や『Skyrim』などのオープンワールドゲームでは、マップを見て「次はどこに行こうか」と考える時間は、インゲームとアウトゲームの中間的な存在です。
実際に馬で駆けていくのはインゲームですが、遠くの山を見て「あそこに何かありそうだな」と考える瞬間は、アウトゲーム的な計画の時間でもあります。
ソーシャルシミュレーション
『あつまれ どうぶつの森』のような生活シミュレーションゲームでは、家具の配置や島のデザインを考える時間は、インゲームなのかアウトゲームなのか区別が難しいです。
「この家具とこの壁紙の組み合わせが良いな」と考えながら部屋をデザインする時間は、ゲームプレイそのものでありながら、アウトゲーム的な創造の時間でもあります。
プレイヤータイプと好みの関係
プレイヤーのタイプによって、インゲームとアウトゲームのどちらに重点を置くかは異なります。
アクション志向のプレイヤー
反射神経や操作テクニックを磨くことに喜びを感じるプレイヤーは、インゲーム要素が充実したゲームを好む傾向があります。
FPSや格闘ゲームなど、その場の判断と実行が重要なゲームジャンルを好みます。
「練習すれば上手くなる!」という成長曲線に魅力を感じるタイプです。
戦略志向のプレイヤー
じっくり考えて最適解を見つけることに喜びを感じるプレイヤーは、アウトゲーム要素が充実したゲームを好む傾向があります。
カードゲームや戦略シミュレーションなど、事前の準備や分析が重要なジャンルを好みます。
「このビルドなら相手を出し抜ける!」という分析と発見に喜びを感じるタイプです。
コレクター型プレイヤー
アイテムやキャラクターを集めることに喜びを感じるプレイヤーは、コレクション要素が強いアウトゲームを重視します。
『ポケモン』や『Fate/Grand Order』などのガチャ要素のあるゲームが特に人気です。
「あとこのキャラが出れば完成!」というコレクション欲求を満たすアウトゲームに魅力を感じます。
クリエイター型プレイヤー
キャラクターや家などをカスタマイズすることに喜びを感じるプレイヤーも、アウトゲーム要素を重視します。
『マインクラフト』や『どうぶつの森』などの創造性を発揮できるゲームが好まれます。
「自分だけの世界を作り上げたい」という欲求を満たすアウトゲームに重きを置きます。
バランスの取れたゲーム体験のために
インゲームとアウトゲームのどちらも大切なゲーム体験の一部です。両方をバランス良く楽しむことで、より充実したゲームライフを送ることができるでしょう。
自分のプレイスタイルを知る
あなたはどちらの要素により魅力を感じるタイプでしょうか?インゲームでの反射神経や操作テクニックを磨くことに喜びを感じるか、アウトゲームでの戦略立案や収集に喜びを感じるか、自分のプレイスタイルを理解することが重要です。
「このゲームのどこに楽しさを感じるのか」を考えてみると、自分の好みが見えてくるかもしれません。
時間配分を意識する
特にオンラインRPGなどでは、アウトゲーム活動に没頭しすぎて、肝心のインゲームをプレイする時間が減ってしまうこともあります。
逆に、インゲームばかりに集中して、装備の整理などのアウトゲーム活動を怠ると、後々苦労することも。
「今日はアイテム整理の日にしよう」「明日は友達とレイドに挑戦する日」というように、意識的に時間配分することも大切です。
コミュニティを活用する
特にアウトゲーム活動は、コミュニティの力を借りることで効率的になります。
攻略情報の共有、効率的な装備の相談、レアアイテムの交換など、他のプレイヤーとの交流はゲーム体験を豊かにします。
「この装備の組み合わせはどうかな?」と掲示板で相談したり、「この敵の攻略法を教えて」とSNSで質問したりすることも、アウトゲーム活動の一部です。
終わりに:二つの世界を行き来する喜び
インゲームとアウトゲーム、二つの世界はどちらも魅力的です。実際のゲームプレイでの緊張感と達成感、そして準備や計画での創造性と満足感。どちらもゲーム体験に不可欠な要素です。
私たちゲーマーは、この二つの世界を自由に行き来しながら、それぞれの魅力を存分に味わっています。
「さあ、装備の準備は整った。今日こそあのボスを倒すぞ!」というワクワク感。
「やった、ボスを倒した!次は新しい装備を揃えよう」という満足感。
この循環こそが、ゲームの面白さの核心なのかもしれません。
あなたは今日、どちらの世界で過ごしますか?
インゲームでの冒険を楽しみますか?
それともアウトゲームでの準備に没頭しますか?
どちらの選択も正解です。
大切なのは、あなたがゲームの中で楽しい時間を過ごせることなのですから。
さあ、二つの世界を存分に楽しみましょう!
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