フレームレート(fps)とは?1フレームは何秒かをわかりやすく解説
フレームレート(fps)とは?
ゲーム開発やプレイ環境について語る際、必ずと言っていいほど登場する「fps」という言葉。この指標を正しく理解することは、ゲームの品質を理解し、開発における判断基準を持つうえで欠かせません。ここでは、fpsの基本概念から具体的な数値の意味まで、わかりやすく解説していきます。
fpsは「1秒間に表示されるフレーム数」
fpsとは「frames per second」の略で、日本語では「フレームレート」と呼ばれます。これは、1秒間に何枚の画像(フレーム)が表示されるかを示す指標です。
たとえば「60fps」であれば、1秒間に60枚の静止画が連続して表示されることを意味します。私たちがゲーム画面で見ている滑らかな動きは、実は高速で切り替わる静止画の連続です。パラパラ漫画を想像するとわかりやすいでしょう。ページをめくる速度が速いほど、動きが滑らかに見えるのと同じ原理です。
ゲーム画面では、キャラクターの移動、エフェクトの描画、背景のスクロールなど、あらゆる視覚要素がこのフレーム更新によって表現されています。そのため、fpsはゲーム体験の快適さを左右する重要な要素となっています。
1フレームは何秒?fpsを時間に換算してみる
fpsを理解するうえで、「1フレームが何秒にあたるのか」を知っておくと、処理時間やタイミング調整の感覚がつかみやすくなります。
計算式は非常にシンプルで、「1 ÷ fps」で求められます。
30fpsの場合: 1 ÷ 30 = 約0.033秒(約33ミリ秒)
60fpsの場合: 1 ÷ 60 = 約0.017秒(約16.7ミリ秒)
120fpsの場合: 1 ÷ 120 = 約0.008秒(約8.3ミリ秒)
つまり、60fpsで動作しているゲームでは、約16.7ミリ秒ごとに新しい画面が描画されています。この時間内に、ゲームエンジンは入力処理、物理演算、描画処理などすべての計算を完了させなければなりません。
ゲーム開発の現場では、この1フレームあたりの処理時間を「フレーム予算」と呼び、各システムがどれだけの処理時間を使えるかを厳密に管理しています。たとえば、60fpsを維持するためには、すべての処理を16.7ミリ秒以内に収める必要があるため、描画に10ミリ秒、物理演算に3ミリ秒といった具合に配分を検討します。
30fps・60fps・120fpsの違い
ゲームでよく目にする30fps、60fps、120fpsには、それぞれ明確な特徴と用途があります。
30fpsは、映画のフレームレート(24fps)に近く、シネマティックな演出を重視するゲームでよく採用されます。ハードウェア性能が限られている環境や、処理負荷の高いゲーム内容の場合、60fpsを維持することが困難なため30fpsが選択されます。その分、グラフィック表現や演出に処理リソースを割くことができます。ただし、動きの速いゲームでは、プレイヤーが「カクつき」を感じやすい傾向があります。
60fpsは、現在のゲーム業界における標準的なフレームレートです。滑らかな動きと快適な操作感を両立できるバランスの良い設定で、アクションゲーム、格闘ゲーム、レーシングゲームなど、多くのジャンルで採用されています。多くのプレイヤーにとって、ストレスなくプレイできる最低ラインとも言えるでしょう。
120fps以上は、競技性の高いゲームやeスポーツタイトルで求められる高フレームレートです。特にFPS(ファーストパーソン・シューティング)ゲームや格闘ゲームのプロプレイヤーにとっては、わずかな反応速度の差が勝敗を分けるため、120fps以上の環境が重要視されます。ただし、これを実現するには高性能なハードウェアが必要となります。
数値が倍になることで、表示の滑らかさも倍になるわけではありません。30fpsから60fpsへの変化は体感しやすいものの、60fpsから120fpsへの変化は、普段から高フレームレート環境でプレイしている人でなければ違いを感じにくいこともあります。それでも、競技シーンでは数ミリ秒の差が重要になるため、高fpsの価値は揺るぎません。
また、主にPCを使用するオンラインゲームでは、ゲーム以外にもモニターのリフレッシュレートなどが深く関わってきます。
リフレッシュレートとは、1秒間に何回映像の表示を切り替えられるかを示したもので、ソフト・ハードでFPSが高出力設定だとしても、リフレッシュレートが低い場合は表示の滑らかさはそのリフレッシュレート以上になることはありません。
そのため、競技シーンでは144Hz~240Hzのモニターなどが揃えられることが多いです。
fpsがプレイ体験に与える影響
fpsは単なる技術指標ではなく、プレイヤーの体験そのものに直結する要素です。同じゲームでも、fpsが異なるだけで受ける印象は大きく変わります。ここでは、fpsがプレイ体験にどのような影響を与えるのかを具体的に見ていきましょう。
fpsが低いと何が起きる?(カクつき・遅延)
fpsが低い状態でゲームをプレイすると、いくつかの問題が発生します。最もわかりやすいのが「カクつき」です。フレーム更新の間隔が長くなることで、画面の動きが不自然に飛んだように見え、滑らかさが失われます。
たとえば、30fpsでは約33ミリ秒ごとに画面が更新されますが、この間にキャラクターが移動した距離が大きいと、瞬間移動しているように見えてしまいます。特に高速で動く敵キャラクターやプレイヤー自身の動きにおいて、この現象は顕著です。
また、fpsが低いことで「入力遅延」を感じやすくなります。プレイヤーがボタンを押してから、その結果が画面に反映されるまでの時間が長くなるためです。60fpsでは16.7ミリ秒ごとに更新されるのに対し、30fpsでは33ミリ秒ごとの更新となるため、最悪の場合、反応速度が倍近く遅くなることもあります。
さらに深刻なのが「フレームドロップ」です。通常60fpsで動作しているゲームが、処理負荷の高い場面で一時的に30fpsや20fpsに落ち込むと、プレイヤーは急激な違和感を覚えます。安定したfpsが保てないことは、ゲーム体験の質を大きく損なう要因となります。
fpsが高いと感じる操作感の違い
反対に、fpsが高いとどのような利点があるのでしょうか。まず、視覚的な滑らかさが向上します。60fpsから120fpsに上げると、キャラクターの動きやカメラワークがより自然で流れるような印象になります。これは目で追いやすく、長時間プレイしても疲れにくいというメリットにもつながります。
次に、入力に対する反応速度が向上します。高fpsでは画面更新の頻度が高いため、プレイヤーの操作がより早く画面に反映されます。格闘ゲームやFPSゲームのように、コンマ数秒の判断が重要なジャンルでは、この差が勝敗を左右します。プロゲーマーが高フレームレート環境を求めるのは、この反応速度の向上が直接的にパフォーマンスに影響するためです。
また、動きの予測がしやすくなる点も重要です。fpsが高いほど、敵の動きや弾道の軌跡がより細かく表示されるため、次の行動を正確に予測できます。これは、エイムの精度向上や回避行動の正確性につながります。
視覚的な疲労の軽減も見逃せません。低fpsでは、脳が不足している情報を補おうとするため、知らず知らずのうちに目や脳に負担がかかります。高fpsでは情報が十分に提供されるため、この負担が軽減され、長時間のプレイでも快適性が保たれます。
ジャンルごとに求められるfpsの目安
ゲームのジャンルによって、求められるfpsの水準は異なります。それぞれのゲームデザインと操作性の特性に応じて、最適なフレームレートが存在します。
RPGやアドベンチャーゲームでは、30fpsでも十分に快適にプレイできることが多いです。これらのジャンルは、リアルタイムでの素早い反応よりも、ストーリーや探索、世界観の表現が重視されるため、フレームレートの優先度は相対的に低くなります。その分、グラフィックの美しさや表現の豊かさにリソースを割くことができます。
アクションゲームやレーシングゲームでは、60fpsが標準となります。キャラクターの動きやカメラワークが頻繁に変化するため、滑らかな表示が求められます。特にレーシングゲームでは、高速移動時の視認性が重要であり、fpsが低いと障害物や コーナーの認識が遅れ、操作ミスにつながります。
FPSゲーム(※)や格闘ゲームといった競技性の高いジャンルでは、60fps以上、できれば120fps以上が望ましいとされます。これらのジャンルでは、ミリ秒単位の反応速度が勝敗を分けるため、高いフレームレートが競技レベルのプレイには不可欠です。プロシーンでは144fpsや240fpsといった、さらに高いフレームレートが採用されることもあります。
※FPSゲーム:First Person Shooter(ファーストパーソン・シューティング)ゲームの略。一人称視点のシューティングゲームを指します。本記事で解説している「fps(フレームレート)」とは異なる用語ですのでご注意ください。
リズムゲームも高fpsが重要なジャンルです。音楽とタイミングを合わせる必要があるため、わずかな表示遅延が判定に影響します。多くのリズムゲームでは60fps以上が推奨され、一部のタイトルでは120fps対応も進んでいます。
ゲーム開発におけるfpsの考え方
プレイヤー視点でのfpsの重要性を理解したところで、今度は開発側の視点からfpsを見ていきましょう。ゲーム開発においてfpsは、技術的な制約と品質のバランスを取るための重要な指標です。
fpsは「高ければ良い」わけではない
一見すると、fpsは高ければ高いほど良いように思えますが、実際の開発現場ではそう単純ではありません。高fpsを実現するには、相応のハードウェア性能が必要となり、ターゲットとするプラットフォームや想定するユーザー層によって、最適なfpsは変わってきます。
たとえば、モバイルゲームでは、バッテリー消費や発熱の問題も考慮する必要があります。120fpsで動作するゲームは確かに滑らかですが、バッテリー消費が激しく、端末が熱くなりすぎると、かえってユーザー体験を損ないます。そのため、多くのモバイルゲームでは30fpsや60fpsを採用し、安定性とバッテリー効率のバランスを取っています。
また、グラフィック品質とfpsはトレードオフの関係にあります。限られた処理性能の中で、美しいグラフィックを追求すればfpsは下がり、高fpsを維持しようとすればグラフィック品質を妥協する必要があります。開発チームは、ゲームのコンセプトやターゲット層を考慮して、どちらに重きを置くかを判断します。
さらに、開発コストの観点も無視できません。高fpsを安定して実現するには、最適化に多くの時間とリソースを投入する必要があります。プロジェクトの規模や予算、スケジュールを考慮して、実現可能なfpsの目標を設定することが重要です。
処理負荷・描画負荷とのバランス
ゲームのfpsを決定する要因は、大きく分けて「処理負荷」と「描画負荷」の2つがあります。両者のバランスを理解し、適切に管理することが、安定したfpsを実現する鍵となります。
処理負荷とは、ゲームロジック、物理演算、AI制御、衝突判定など、CPU側で行われる計算の重さを指します。たとえば、画面上に大量の敵キャラクターが存在し、それぞれがAIで動作している場合、CPUは各キャラクターの行動を毎フレーム計算しなければなりません。この計算量が増えるほど、1フレームの処理に時間がかかり、fpsが低下します。
描画負荷とは、画面に表示される視覚要素をレンダリングする際にGPUにかかる負荷です。高解像度のテクスチャ、複雑なシェーダー、大量のポリゴン、リアルタイムの光源計算など、視覚的に豊かな表現ほど描画負荷が高くなります。特に、透明なオブジェクトや複数のエフェクトが重なる場面では、描画負荷が急激に増加します。
開発においては、これらの負荷を監視しながら、どこがボトルネックになっているかを特定することが重要です。CPUがボトルネックであれば処理の最適化を、GPUがボトルネックであれば描画の軽量化を行います。両方のバランスを取りながら、目標とするfpsを維持できるように調整していきます。
例えば、背景のオブジェクト数を減らす、遠くのオブジェクトの描画品質を下げる(LOD:Level of Detail)、エフェクトの粒子数を調整する、といった手法が用いられます。また、重い処理を複数フレームに分散させる、画面外のオブジェクトの更新頻度を下げる、といった工夫も一般的です。
安定したfpsを出すことの重要性
開発において最も重視されるのは、実は「高いfps」よりも「安定したfps」です。平均60fpsを達成していても、場面によって30fpsに落ち込んだり120fpsに跳ね上がったりすると、プレイヤーは不快感を覚えます。
フレームレートの変動は、プレイヤーの操作感覚に直接影響します。常に60fpsで動作しているゲームでは、プレイヤーは無意識のうちにその操作感覚に慣れています。しかし、急にfpsが落ちると、入力遅延が発生したように感じられ、思い通りの操作ができなくなります。格闘ゲームや音楽ゲームのように、タイミングが重要なジャンルでは、この変動が致命的です。
そのため、開発では「最悪の状況でも目標fpsを維持できるか」を基準に最適化を行います。敵が最も多く表示される場面、エフェクトが最も派手になる場面、背景が最も複雑な場面など、負荷が高くなるシーンを想定してテストを繰り返します。
また、フレームレートを固定する「垂直同期(V-Sync)」という技術もよく使われます。これにより、ディスプレイのリフレッシュレートに合わせてfpsが固定され、画面の「ティアリング(画面が横にズレて見える現象)」を防ぐことができます。ただし、処理が間に合わない場合は次のフレームまで待つため、一時的な遅延が発生することもあります。
近年では、可変リフレッシュレート技術(FreeSync、G-SYNC)の普及により、ディスプレイ側がゲームのfpsに合わせて更新頻度を調整できるようになりました。これにより、固定fpsにこだわらずとも、滑らかな表示を維持しやすくなっています。
▼スタキャリテックには豊富な案件を掲載しております!詳しくは下記バナーをクリック!▼
fpsを支える技術と職種
ゲームのfpsを実現し、維持するためには、様々な技術と職種が連携して取り組んでいます。ここでは、fps最適化に関わる主要な役割について見ていきましょう。
クライアントエンジニアの役割
fps最適化の最前線に立つのが、クライアントエンジニア(ゲームプログラマー)です。彼らは、ゲームの動作を司るコードを書き、パフォーマンスを監視し、ボトルネックを特定して改善します。
クライアントエンジニアの業務は多岐にわたります。まず、ゲームループの設計です。ゲームは「入力の受付→ゲームロジックの更新→描画」というサイクルを毎フレーム繰り返しますが、この流れを効率的に設計することが基本となります。
次に、プロファイリングと最適化です。プロファイラーと呼ばれるツールを使って、どの処理にどれだけの時間がかかっているかを測定し、重い処理を特定します。そして、アルゴリズムの改善、データ構造の見直し、不要な処理の削減などを行います。
メモリ管理も重要な仕事です。メモリの確保と解放を適切に行わないと、メモリリークが発生し、ゲームが不安定になります。また、頻繁なメモリアクセスはパフォーマンスに影響するため、キャッシュを効率的に使う設計も求められます。
さらに、マルチスレッド処理の実装も現代のゲーム開発では欠かせません。複数のCPUコアを活用して処理を並列化することで、より多くの計算を限られた時間内に実行できます。ただし、並列処理は難易度が高く、バグも発生しやすいため、高度な技術と経験が必要です。
背景・エフェクト・最適化との関係
fps最適化は、エンジニアだけの仕事ではありません。アーティストやデザイナーの協力も不可欠です。
背景アーティストは、美しい世界を作り出すと同時に、描画負荷を意識した制作を行います。ポリゴン数の管理、テクスチャサイズの最適化、LOD(Level of Detail)用のモデル作成など、技術的な制約を理解したうえでアート制作を進めます。また、背景のオブジェクト配置においても、視界に入るオブジェクト数を考慮するなど、パフォーマンスへの配慮が求められます。
エフェクトアーティストは、爆発、魔法、煙などの視覚効果を担当します。エフェクトは見た目のインパクトが強い反面、大量のパーティクルや複雑なシェーダーを使用するため、描画負荷が高くなりがちです。そのため、美しさと軽さのバランスを取りながら制作する技術が重要です。パーティクル数の調整、テクスチャの最適化、シェーダーの簡略化など、様々な工夫を凝らします。
テクニカルアーティストは、アートと技術の橋渡しをする役割です。アーティストが作成したアセットを最適化し、ゲームエンジン上で効率的に動作するように調整します。また、パフォーマンス計測ツールの整備、最適化ガイドラインの作成、アーティストへの技術サポートなども行います。
これらの職種が連携することで、視覚的に美しく、かつ高いfpsを維持できるゲームが実現します。定期的なパフォーマンスレビューを実施し、各セクションの負荷状況を共有しながら、プロジェクト全体で最適化に取り組むことが一般的です。
fpsを意識できる人材が評価される理由
ゲーム開発において、fpsを意識できる人材は高く評価されます。なぜなら、fpsへの理解は、技術とユーザー体験の両方を理解していることの証だからです。
まず、技術的な理解です。fpsを意識するということは、処理負荷や描画負荷、最適化の必要性を理解しているということです。これは、実装の段階で無駄な処理を避け、効率的なコードやアセットを作成できることを意味します。結果として、プロジェクトの後半で大規模な最適化が必要になるリスクを減らせます。
次に、品質への意識です。fpsが安定しているかどうかは、ゲームの品質を測る重要な指標の一つです。fpsを意識できる人材は、細部にまで気を配り、ユーザー体験を第一に考える姿勢を持っています。この品質志向は、ゲーム全体のクオリティ向上につながります。
また、コミュニケーション能力の高さも評価されます。fps最適化は、エンジニア、アーティスト、デザイナー、ディレクターなど、多職種が関わる作業です。fpsという共通言語を使って、各職種が状況を共有し、協力して問題を解決する能力は、プロジェクトの成功に欠かせません。
『企画』から『実装』まで伴走する:ゲームディレクターに必要な『技術的理解』とコミュニケーション術という記事でも触れられていますが、ディレクターやプランナーにとっても、fpsの理解は重要です。企画段階から技術的な実現可能性を考慮できれば、後の開発がスムーズに進みます。たとえば、「この演出は描画負荷が高すぎてfpsが落ちる可能性がある」といった判断ができれば、早い段階で代替案を検討できます。
さらに、問題解決能力の高さも示します。fpsの低下には様々な原因があり、それを特定して解決するには、論理的思考と粘り強さが必要です。プロファイリングツールを使いこなし、データを分析し、仮説を立てて検証する。このプロセスは、エンジニアリングの本質的なスキルを示すものです。
キャリアの観点でも、fps最適化の経験は貴重です。最適化技術は、どのプラットフォーム、どのジャンルのゲーム開発でも必要とされるスキルです。モバイル、コンシューマー、PC、VRなど、プラットフォームが変わっても、fps最適化の基本的な考え方は変わりません。この普遍的なスキルは、キャリアの選択肢を広げてくれます。
まとめ:fpsの理解はゲーム開発理解の第一歩
ここまで、fpsの基本から開発への影響まで、幅広く解説してきました。最後に、fpsを理解することの意義を改めて確認しましょう。
fpsは体験と技術をつなぐ共通言語
fpsは、プレイヤーが感じる「快適さ」や「操作性」を、数値として客観的に表現できる指標です。「なんとなくカクカクする」という感覚的な表現を、「fpsが30を下回っている」という具体的な情報に変換できます。
この共通言語としての性質が、開発チーム内のコミュニケーションを円滑にします。プランナーが「この演出はもっと派手にしたい」と要望する際、エンジニアは「現在55fpsで、あと5fps余裕があるので実現可能です」と答えられます。アーティストが背景を作る際も、「この エリアは他より処理が重いので、目標fpsを維持するために最適化が必要」といった会話ができます。
また、ユーザーとのコミュニケーションにおいても、fpsは重要な指標です。ゲームの推奨スペックを示す際、「60fpsで動作」といった情報は、ユーザーが快適にプレイできるかを判断する材料になります。パッチノートで「特定の場面でfpsが低下する問題を修正」と記載されれば、ユーザーは具体的にどのような改善があったかを理解できます。
このように、fpsは単なる技術用語ではなく、関係者全員が共有できる「体験の品質を表す言葉」なのです。
数字の意味を知ることで視点が変わる
fpsの意味を深く理解すると、ゲームを見る目が変わります。プレイヤーとしてゲームを楽しむ際も、「このゲームは60fpsで安定している」「ここは処理が重くてfpsが落ちているな」といった観察ができるようになります。
開発者を目指す方にとっては、fpsへの理解は最初の一歩です。なぜこのゲームは滑らかに動くのか、なぜあのゲームは重く感じるのか。その理由を技術的に説明できるようになることは、ゲーム開発への理解を深める大きな前進です。
また、fpsを通じて、「制約の中で最良の結果を出す」というゲーム開発の本質も見えてきます。無限の処理能力があれば、どんなゲームも最高品質で作れますが、現実には必ず制約があります。限られたハードウェア性能、限られた開発期間、限られた予算の中で、どこに注力し、どこを妥協するか。そのバランス感覚こそが、優れたゲーム開発者に求められる能力です。
fpsという数値は、その判断の結果を如実に反映します。30fpsを選択したのは、ハードウェアの制約や処理負荷の高さから、60fpsの維持が困難だったから。60fpsを目標にしたのは、操作性を重視したから。120fpsを実現したのは、競技性を追求したから。それぞれの選択には、明確な意図と技術的な裏付けがあります。
ゲーム開発に興味がある方、すでに開発に携わっている方も、fpsという指標を深く理解することで、より良い判断ができるようになります。プレイヤーにとって最高の体験とは何か、それを実現するために何が必要か。その答えを見つける旅の第一歩として、fpsの理解は非常に重要な役割を果たします。
数字の裏にある意味を知ること。技術と体験の関係を理解すること。そして、制約の中で最良の選択をすること。これらすべてが、fpsという一つの指標から学べるのです。ゲーム開発の世界は奥深く、学ぶべきことは無数にありますが、fpsの理解は確実にその基礎となる知識の一つです。
この記事が、fpsへの理解を深め、ゲーム開発への興味をさらに広げるきっかけになれば幸いです。
▼キャリア相談を受けるなら下記バナーをクリック!▼

