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ゲーム業界の書類選考を突破するためのポイント

ゲーム業界内での転職を目指す際、最初の関門となるのが書類選考です。これまでの開発経験や実績をどれだけ持っていても、それが書類で効果的に伝わらなければ面接のチャンスすら得られません。ゲーム業界の書類選考では何が見られているのか、評価されやすいポイントや注意点を整理して解説します。
目次

ゲーム業界の書類選考の特徴

ゲーム業界の書類選考には、他の業界とは異なる独特の評価基準が存在します。単なる学歴や職歴の年数だけでなく、どのようなタイトルに携わったか、そこでどんな成果を出したかが詳細に評価されます。

ゲーム業界の中途採用では、応募者がこれまでどのようなゲーム開発に関わり、それをどう次の環境で活かせるかが重要な判断材料となります。プランナー職であれば企画したシステムの評価や運用データ、デザイナー職であれば手がけたビジュアルアセットの質と量、エンジニア職であれば実装した技術的チャレンジと最適化の実績が詳細にチェックされます。また、応募する企業のゲームタイトルへの理解度や、ゲーム業界全体のトレンドに対する知識も、書類から読み取られることがあります。

書類選考の段階で、企業は「この人の開発スタイルは自社に合うか」「自社のゲームづくりの方向性と相性が良いか」「即戦力として活躍できるか」という観点から応募者を評価しています。そのため、形式的な履歴書や職務経歴書だけでは不十分で、自分の開発における強みや専門性を効果的に伝える工夫が必要です。

特に中途採用では即戦力性が強く求められるため、これまで携わったタイトルでどのような役割を担い、どんな成果を生んだかを具体的に示すことが重要になります。担当したプロジェクトの規模、チーム構成、使用した技術スタック、そして最も重要な「あなた自身の貢献」を明確に記載することで、採用担当者はあなたの実力を正確に把握できます。

一般企業との違い

ゲーム業界の書類選考は、一般企業と比較していくつかの明確な違いがあります。最も大きな違いは、クリエイティブ職特有の「ポートフォリオ」や「制作物」の提出が求められることです。

一般企業では履歴書と職務経歴書だけで選考が進むケースが多いですが、ゲーム業界ではデザイナーやプランナー、エンジニア職において、実際の制作物や企画書、コードサンプルなどの提出が必須となる場合がほとんどです。これらは応募者のスキルレベルや創造性を直接的に判断する材料となるため、書類以上に重要視されることもあります。

また、一般企業では学歴や大手企業での勤務経験が高く評価される傾向がありますが、ゲーム業界では「どのタイトルに携わったか」「そこでどんな実績を残したか」がより重視されます。有名タイトルの開発経験や、担当箇所がユーザーから高評価を得た実績があれば、それが大きなアピールポイントになります。

さらに、ゲーム業界では「志望動機」の質が一般企業以上に重要です。単に「より良い環境で働きたい」という理由では不十分で、なぜその企業なのか、どのタイトルのどんな点に魅力を感じたのか、自分のこれまでの経験をどう活かしたいのかを具体的に語る必要があります。採用担当者は、応募者が自社のゲームを本当にプレイし、深く理解しているかを見極めようとしています。

職種によっては、技術テストや課題制作が書類選考と並行して行われることもあります。これは一般企業ではあまり見られない選考プロセスで、ゲーム業界特有の実力主義を反映しています。

評価されやすいポイント

ゲーム業界の書類選考で評価されやすいポイントを理解し、それらを効果的にアピールすることが突破への近道です。ここでは具体的にどのような要素が高く評価されるのかを見ていきましょう。

まず、具体的な数値や成果を伴った実績が重要です。「プロジェクトに参加した」という事実だけでなく、「月間アクティブユーザー100万人のタイトルで、UI改善により離脱率を15%削減した」「担当したステージのクリア率が目標値を20ポイント上回った」というように、定量的な成果を示すことで説得力が増します。売上への貢献、ダウンロード数、ユーザー評価の向上、開発効率の改善など、測定可能な成果があれば積極的に記載しましょう。

次に、業務外での自主制作や個人プロジェクトの経験も評価されます。業務で培った技術を使って新しいことに挑戦したゲーム、参加したゲームジャムの作品などは、継続的な学習意欲と技術探求心を示す材料になります。実務経験に加えて、こうした自主的な活動があることで「この人は本当にゲーム開発が好きで、常にスキルアップを目指している」という印象を与えられます。

また、応募企業のゲームへの深い理解を示すことも効果的です。志望動機に「貴社のタイトル○○の△△というシステムに感銘を受け、特に□□の点でユーザー体験が優れていると感じました。私が前職で担当した◇◇の経験を活かせば、さらなる改善に貢献できると考えています」といった具体的な分析と自身の経験の接続を盛り込むことで、単なるプレイヤーではなく、開発者視点でゲームを分析できる人材であることをアピールできます。

技術スキルや使用ツールの記載も重要です。Unity、Unreal Engine、Maya、Photoshopなど、具体的なツール名とそれを使った実務での制作経験、習熟度を明記することで、即戦力性を示せます。プログラミング言語についても、単に「C++ができます」ではなく、「C++を使用して3年、大規模プロジェクトでのゲームエンジン開発とパフォーマンス最適化の経験あり」といった形で詳細に記述しましょう。

チームワークや協働経験も見られています。ゲーム開発は多くの職種が連携する共同作業であるため、プランナーやデザイナー、エンジニアなど異なる職種とどのように協力してきたか、プロジェクトマネジメントやリーダーシップを発揮したエピソードがあれば効果的です。特に、困難な状況をチームでどう乗り越えたかといった具体的なエピソードは、あなたの人間性や協調性を伝える材料となります。

AI時代における書類作成の注意点

2026年現在、書類作成やポートフォリオの整理に生成AIを活用する応募者が増えています。AIツールは文章の推敲やアイデア出し、構成の整理などで有効に機能しますが、使い方を誤ると逆効果になることを理解しておく必要があります。

採用担当者が評価するのは「AIを使えるかどうか」ではなく、「AIで出力した内容をいかに自分の経験と結びつけ、個性を出せているか」という点です。AIが生成した文章をそのまま提出することは、書類選考において非常にリスクの高い行為です。AIによる生成文には特有のパターンや表現があり、採用実務に携わる人であれば容易に見破ることができます。

適切なAI活用の例としては、自分が書いた文章の誤字脱字チェック、より適切な言い回しの提案、職務経歴の構成案の作成などが挙げられます。一方で、志望動機や自己PRをAIに丸投げして生成されたものをそのまま使用するのは、「自分の言葉で語れない人」「思考力がない人」という印象を与え、大きなマイナス評価につながります。

実際の開発経験、プロジェクトでの具体的なエピソード、技術的な判断の背景や学びは、あなた自身にしか語れないものです。AIはあくまで補助ツールとして活用し、最終的には自分の言葉で、自分の経験を、自分らしく伝えることが書類選考突破の鍵となります。採用担当者は「この人と一緒にゲームを作りたい」と思える個性や技術への情熱を書類から感じ取ろうとしているのです。

経験の整理方法

書類選考を突破するためには、これまでの開発経験を効果的に整理し、採用担当者にとって理解しやすい形で提示することが不可欠です。

まず、職務経歴書では時系列ではなく、プロジェクト単位で経験を整理する方法が効果的です。「○○というタイトルの開発において、△△の役割を担当し、□□という成果を出した」という形式で、各プロジェクトごとに自分の貢献を明確にします。この際、プロジェクトの規模(開発期間、チーム人数)、使用技術、自分の役割、具体的な成果の4点を必ず含めるようにしましょう。

スキルセットは職種別に分類して記載します。例えばゲームプランナーであれば「企画力」「レベルデザイン」「データ分析」「ツール使用経験」といったカテゴリに分け、それぞれに具体的な実績や使用ツールを紐付けます。これにより、採用担当者が求めるスキルを持っているかを一目で判断できるようになります。

また、異なるジャンルやプラットフォームでの開発経験がある場合は、それらを整理して記載することも重要です。例えばモバイルゲームからコンシューマーゲームへの転職を目指す場合、「モバイルでの運用改善の知見をコンシューマーの長期的なユーザー体験設計に活かせる」といった形で、経験の応用可能性を示します。

ポートフォリオについては、職種ごとに業界標準となっているプラットフォームを活用することで「業界の作法を理解している」という印象を与えられます。エンジニアであればGitHubでコードを公開し、コミット履歴の質や技術的な思考プロセスを示すことが効果的です。ただし、前職で開発したゲームのコードをそのまま公開することは機密保持の観点から避け、個人プロジェクトや技術検証のコードを活用しましょう。

アーティストやデザイナーはArtStationやBehanceといった視覚的なポートフォリオサービスを活用し、実務で制作したアセットの質を示します。公開可能な範囲でゲーム内での使用例やワークフローを示すことで、実践的なスキルをアピールできます。

ゲームプランナーの場合は、NotionやGoogleスライド、PDF形式で企画書のサンプルを整理し、思考の論理性や企画力を示すことが一般的です。実際のタイトルで採用された企画や、改善提案とその結果を具体的に示すことで、実務での成果を証明できます。UI/UXデザイナーであれば、FigmaやAdobe XDでの実装例を共有し、ユーザビリティ改善の実績を数値とともに示すことが効果的です。

これらのプラットフォームを使うこと自体が、業界のスタンダードを理解し、適応できる人材であることの証明になります。ただし、形式だけを整えても中身が伴わなければ意味がありません。作品を羅列するのではなく、ストーリー性を持たせて整理することが重要です。「キャリア初期から現在までの技術的成長」や「特定の技術領域での深掘り」といった形で構成することで、あなたの専門性の深さや成長意欲を伝えられます。

各作品には制作意図、使用技術、開発で直面した課題とその解決方法、ユーザーフィードバックとその後の改善などを簡潔に記載しましょう。特に「なぜその技術選択をしたのか」「どのような制約の中で最適解を導いたか」といった思考プロセスを示すことで、単なる作業者ではなく、考えて開発できる人材であることをアピールできます。

自己PRや志望動機も整理が必要です。「なぜ転職を考えたのか」「なぜその企業なのか」「自分の経験をどう活かせるのか」という3つの問いに対する答えを明確にし、それらが一貫したストーリーとして繋がるように構成します。単なる待遇面の不満ではなく、キャリアビジョンや技術的チャレンジへの意欲を軸に語ることが重要です。

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よくある失敗例

書類選考で落ちてしまう応募者には、共通するいくつかの失敗パターンがあります。これらを理解し、自分の書類が同じミスを犯していないかチェックすることが大切です。

最も多い失敗は「抽象的な表現に終始している」ことです。「コミュニケーション能力が高い」「問題解決能力がある」といった抽象的なアピールだけでは、採用担当者は応募者の実力を判断できません。必ず具体的なプロジェクトでのエピソードや数値データを交えて、その能力を証明する必要があります。

次に多いのが「志望動機が浅い」という問題です。「より良い環境で働きたい」「新しいジャンルに挑戦したい」という理由だけでは、なぜその企業を選んだのか、どんな貢献ができるのかが伝わりません。応募企業のゲームタイトルを具体的に挙げ、そのどこに開発者として魅力を感じたのか、自分のこれまでの経験をどう活かせるのかを明確に述べる必要があります。

また、「情報量が多すぎる、または少なすぎる」という失敗もよく見られます。職務経歴書に全てのプロジェクトを細かく書きすぎて焦点がぼやけたり、逆に簡潔すぎて実力が伝わらなかったりします。応募職種に関連する経験は詳しく、関連性の低い経験は簡潔にまとめるというメリハリが重要です。

ポートフォリオに関しては「量だけ多くて質が伴っていない」「自分の担当部分が不明確」という失敗が目立ちます。10個の中途半端な作品よりも、3個の完成度の高い作品と詳細な解説の方が評価されます。また、チーム制作の場合は自分が何を担当したのかを明記しないと、評価のしようがありません。特にゲーム業界では共同制作が基本なので、「このアセットは私が制作」「このシステムは私が設計・実装」といった明確な区別が必須です。

さらに「誤字脱字や書式の不統一」といった基本的なミスも致命的です。クリエイティブ職であっても、細部への注意力は重要な能力です。こうした初歩的なミスは「仕事が雑な人」という印象を与え、それだけで不採用になることもあります。特にプログラマーやプランナーの場合、論理的思考や正確性が求められる職種なので、書類の精度は実務能力の反映と見なされます。

2026年の現在では、新たな失敗例として「AIで生成した文章をそのまま提出する」ケースも増えています。前述の通り、AI生成文には特有のパターンがあり、採用担当者は容易に見抜きます。「自分の開発経験を自分の言葉で語れない人」という評価につながり、書類選考で大きく不利になります。

伝わらない書類の特徴

評価されない書類には、いくつかの共通した特徴があります。これらを理解し、自分の書類を見直すことで、大幅な改善が可能です。

まず、「主語が不明確」な書類は伝わりません。「プロジェクトを成功に導いた」と書かれていても、それが応募者自身の貢献なのか、チーム全体の成果なのかが分からなければ評価できません。「私は○○を担当し、△△という技術的判断により□□という成果を出した」というように、自分の役割と貢献を明確にすることが重要です。特にゲーム開発はチーム作業なので、この区別は極めて重要です。

次に「専門用語や前職固有の用語の乱用」も問題です。前の会社でしか通じない社内用語やツール名を使っていると、他社の採用担当者には理解されません。業界標準の用語を使うか、必要に応じて補足説明を加えることが大切です。

また「結果だけで過程が見えない」書類も評価されにくいです。「DAUを20%向上させた」という結果は素晴らしいですが、どのようなデータ分析を行い、どんな施策を設計・実装し、どう検証と改善を重ねたのかというプロセスが見えなければ、再現性があるのか、応募者の実力なのかが判断できません。開発者として「考える力」があることを示すには、思考プロセスの可視化が不可欠です。

「ネガティブな表現が多い」のも避けるべきです。前職の退職理由を書く際、「チームと合わなかった」「環境が悪かった」「評価されなかった」といった他責的な表現は印象を悪くします。むしろ「新しい技術領域に挑戦したい」「より大規模なプロジェクトで経験を積みたい」といったポジティブな動機を軸に語ることが重要です。

さらに「テンプレート感が強すぎる」書類も伝わりません。インターネットで見つけたテンプレートをそのまま使い、固有名詞だけ変えたような書類は、熱意や個性が感じられず、採用担当者の心に響きません。自分の言葉で、自分なりの開発経験や技術への想いを語ることが大切です。特にAI生成文をそのまま使用した書類は、この「テンプレート感」が極端に強く、画一的な表現や不自然な言い回しから見破られやすくなっています。

転職活動では、こうした情報量や理解度の差が結果に影響することもあります。

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書類の構成や見せ方についても、読みにくいレイアウトは致命的です。余白がなく文字が詰まっている、フォントサイズがバラバラ、色を使いすぎている、といった書類は、内容が良くても読む気を失わせます。シンプルで読みやすいデザインを心がけ、重要な情報が一目で分かるように工夫しましょう。デザイナー職であれば、書類のレイアウト自体もデザインスキルの表現と見なされることもあります。

まとめ

ゲーム業界内での転職において、書類選考を突破するためには、業界特有の評価基準を理解し、自分の開発経験とスキルを効果的に伝えることが不可欠です。

一般企業との違いを認識し、ポートフォリオや制作物の重要性を理解すること、具体的な数値や成果を示すこと、応募企業のゲームへの深い理解を示すこと、これらが評価されるための基本です。また、経験を分かりやすく整理し、プロジェクト単位で自分の貢献を明確にすることで、採用担当者に自分の価値を正確に伝えられます。

2026年の現在では、AIツールの活用が一般化していますが、AIに頼りすぎることなく、自分の言葉で自分の開発経験を語ることの重要性は変わりません。むしろAI時代だからこそ、個性や思考の深さ、本物の技術への情熱がより重視されるようになっています。職種ごとに業界標準のプラットフォームを活用しながらも、中身の質と独自性を追求することが求められます。

よくある失敗例として、抽象的な表現、浅い志望動機、情報量の不均衡、基本的なミス、AI生成文の無批判な使用などを挙げました。特に「伝わらない書類」の特徴を理解し、主語の明確化、専門用語の適切な使用、プロセスの可視化、ポジティブな表現、オリジナリティの確保を意識することが重要です。

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