【2025年8月時点】職種別フリーランス求人動向:ゲームプランナー(ディレクター)

プランナー求人傾向
分析対象
2025年8月時点の公開されているゲームプランナー職(業務委託・フリーランス)
出勤形態
STANDのお取引先企業様は東京中心であるため、東京中心の公開案件が多いです。
また、出勤形態の割合は下記になります。
- 出社常駐:約44.4%
- ハイブリット出社:約51.4%
- フルリモート:約4.2%
求人内容から見える傾向
ハイブリッド出社が51.39%と過半数を占め、現在のプランナー求人の主流となっています。コロナ禍を経て定着したリモートワークの利便性と、対面でのコミュニケーションの重要性を両立させた働き方が求められていることがわかります。
出社常駐が44.44%と高い割合を示しているのは、プランナー職の特性が大きく影響しています。新規開発や大規模タイトルでは、エンジニア・デザイナーとの密な連携や、リアルタイムでの仕様調整が必要となるため、出社でのコミュニケーションが重視される傾向があります。
また、必須要件にチームワークや自走力に関する内容が散見されることからも、プランナーの働き方において協調性と主体性のバランスが重要視されていることがうかがえます。特にコンシューマー案件の増加に伴い、機密保持の観点からも出社常駐を求める案件が一定数存在しています。
一方で、フルリモートは4.17%と限定的です。これは、プランナーの業務が他職種との連携を前提としており、完全リモートでは業務効率や品質維持に課題があることを示しています。フルリモート案件は主に運用フェーズでの数値調整や、独立性の高い企画業務に限られる傾向があります。
対応プラットフォーム・エンジン
次に、プラットフォームやエンジンの観点から求人データを分析しました。
【プラットフォーム】
- スマートフォン(iOS/Android):約40.2%
- コンシューマ(PS5/Switchなど):約20.8%
- PC(Steam等):約12.5%
- 未記載:約26.3%
【使用エンジン】
- Unity:約16.6%
- Unreal Engine(UE4/UE5):約12.5%
- 不明/エンジン未記載:約61.1%
全体的な傾向として
スマートフォン向けタイトルの案件が全体の40.28%を占め、引き続きモバイルゲーム市場がプランナー求人の中心となっています。モバイル市場の成熟に伴い、運用型タイトルでの継続的な企画・改善業務の需要が安定していることを反映しています。
コンシューマ案件(20.83%)は全体の2割強を占めており、大型タイトルの開発や次世代機向けの新規プロジェクトでの需要が確認できます。PC向け案件(12.5%)は少数派ながらも、Steam配信やインディーゲーム開発での一定の需要が存在し、プランナーの活躍の場が多様化していることがわかります。
使用エンジンに関しては、「エンジン未記載」が61.11%と圧倒的多数を占めているのが特徴的です。これは、プランナーの業務が特定のエンジンに依存しない企画立案、仕様作成、進行管理などの上流工程に集中していることを示しています。また、運用フェーズでの数値調整やイベント企画などでは、エンジンスキルよりもゲーム設計能力そのものが重視される傾向があります。
明記されている案件では、Unity(16.67%)がUnreal Engine(12.5%)を上回っており、国内開発現場でのUnityシェアの高さと、モバイル開発での採用率の高さが反映されています。ただし、両エンジンの差は僅差であり、プランナーにとってはエンジン経験よりも、企画力や設計能力が重要視されていることがうかがえます。
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単価水準
各求人の単価帯から、以下のような割合となりました。
- 80万円以上/月:0%
- 60万〜80万円/月:約56.9%
- 40万〜60万円/月:約8.3%
- 40万未満/月:約1.4%
- スキル見合い:約34.7%
傾向と解釈
約6割の案件が「60万~80万円」ゾーンに集中しており、プランナーとしての実務経験を積んだ中堅層がメインターゲットの求人構造となっています。この価格帯は、基本的なプランニングスキルに加えて、チーム連携や仕様の実装経験を持つ人材が対象となっていることを示しています。
「40万~60万円」ゾーンは8.3%と限定的であり、主に経験年数が浅い層や、運用フェーズでのオペレーション業務中心の職務に特化している傾向が見られます。
注目すべきは「80万円以上」の高単価案件が0%という結果です。これは要件が極めて厳しく、リードプランナーやディレクター経験、複数プロジェクトのマネジメント実績、顧客折衝能力など、高度な複合スキルが求められる案件が現在の市場には少ないことを意味しています。
「スキル見合い」が34.7%を占めているのは、プランナー職の業務範囲の多様性を反映しています。プロジェクトの規模・フェーズ・専門領域によって求められるスキルセットが大きく異なるため、画一的な報酬設定が困難な職種特性が表れています。
求められるスキル要件
要件で求められているスキル・経験の割合を算出しました。
スキル要件:求められているスキル・経験の割合
- 仕様書作成:17.55%
- パラメータ設計・調整:12.77%
- 進行管理:11.17%
- 企画提案・立案:26.6%
- Excel操作:7.98%
- Unity実務経験:6.38%
- Unreal Engine経験:4.79%
- データ作成(マスタ等):4.9%
- バトル設計:5.32%
- UI設計経験:2.66%
傾向分析
「企画提案・立案」が26.6%と最も高い結果となりました。ゲームプランナーの根幹となる企画力が最重要視されており、新しいアイデアを生み出し、それを具体的な形に落とし込む能力が強く求められていることがわかります。
また、プランナーは企画段階から運営フェーズまで幅広く関わるポジションであるため、創造性と論理性を両立させた提案力が評価される傾向があります。
企画提案と密接に関連する「仕様書作成」(17.55%)が次点となっているのも納得できる結果です。アイデアを具現化するためのドキュメンテーション能力は、エンジニアやデザイナーとの協業において不可欠であり、企画の実現性を左右する重要スキルと位置付けられています。
「パラメータ設計・調整」(12.77%)と「進行管理」(11.17%)は、ゲーム開発における実務的な中核スキルとして安定した需要を示しています。特にパラメータ設計は、ゲームバランスの根幹を担う専門性の高い領域であり、RPGやアクションゲームでは必須の技能となっています。
技術スキルでは「Unity実務経験」(6.38%)が「Unreal Engine経験」(4.79%)を上回っており、国内ゲーム開発現場でのUnityシェアの高さが反映されています。エンジン経験を持つプランナーは、技術的制約を理解した現実的な企画立案ができるため、開発効率向上に寄与する人材として評価されています。
「Excel操作」(7.98%)、「データ作成(マスタ等)」(4.9%)、「バトル設計」(5.32%)、「UI設計経験」(2.66%)は、それぞれ特定の業務領域に特化したスキルとして位置付けられています。
総合的に見ると、以下の3点が現在のプランナー市場の傾向として顕著に現れています。
- 企画力+仕様化能力+進行管理の3点セットが基礎スキルとして確立されている
- ゲームエンジンへの理解を持ち、技術的制約を踏まえた企画ができる人材の需要が高まっている
- 「企画のみ」「運営のみ」ではなく、開発全体を俯瞰できる総合的なスキルが求められている
案件タイプの分類
タイプ(特徴・内容例):割合
【新規vs運営】
- 新規開発(コンシューマ/スマホ問わず。企画初期から参画できる案件):約37%
- 運営フェーズ(イベント設計、バランス調整、マスタ更新など):約62%
【リーダー案件vs特化型案件】
- リード/ディレクター(タスク管理、進行、企画統括、社内外折衝など):約15%
- 特化型 UI/バトルなど(特定分野に特化。UI設計、スキル設計、レベルデザイン等):約43%
- その他:約41%
運営フェーズの案件が62%と過半数を占めており、既存タイトルでのイベント設計、バランス調整、マスタ更新などの継続的な改善業務が市場の中心となっています。これは、モバイルゲーム市場の成熟とともに、長期運営タイトルが増加していることを反映しています。
新規開発案件は37%となっており、企画初期から参画できるプロジェクトも一定数存在しています。新規開発案件では、ゼロベースでのゲーム設計や仕様策定が求められるため、より幅広いスキルセットと創造性が重要視される傾向があります。
ポジション別では、特化型案件が43%と最も多く、UI設計、バトル設計、レベルデザインなど、特定分野への深い専門性を持つプランナーの需要が高いことがわかります。これは、ゲーム開発の複雑化・専門化が進んでいることを示唆しています。
リード/ディレクター案件は15%と限定的であり、タスク管理、企画統括、社内外折衝などのマネジメント業務を担える人材は希少価値が高い状況です。この層は経験年数や実績に加えて、高いコミュニケーション能力とリーダーシップが求められるため、募集案件数が少なくなっています。
その他の案件(41%)には、上記カテゴリに分類されない多様な業務が含まれており、プランナー職の業務範囲の広さと、プロジェクトごとの個別性を表しています。
今後の注目ポイント
ここまでの分析を経て、今後注目されるであろうポイントをまとめました。
企画力×仕様化能力の組み合わせが市場価値の決定要因となる
ポイント:「企画提案・立案」(26.6%)と「仕様書作成」(17.55%)が上位を占める結果から、アイデア出しから実装可能な形まで落とし込める総合力が重要視されています。今後は創造性と論理性を両立し、エンジニア・デザイナーとの協業を円滑に進められる人材の需要がさらに高まると予想されます。
運営特化スキルの専門性向上が差別化のカギ
ポイント:運営フェーズ案件が62%と過半数を占める現状において、イベント設計やバランス調整などの運営スキルの専門性が重要になっています。数値分析力やユーザー行動理解に基づいた施策立案ができる人材の市場価値が向上すると考えられます。
ハイブリッド勤務への適応力が必須スキル
ポイント:ハイブリッド出社が51.39%と主流となる中、リモートワークの効率性と対面でのコラボレーション力を両立できる人材が求められています。フルリモート案件が4.17%と限定的である現状を踏まえると、積極的な出社姿勢とチーム連携スキルを持つ人材が今後も優位性を保つでしょう。
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